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2014 Fiscal Year Annual Research Report

腫瘍関連マクロファージをハイジャックする機能性高分子の開発

Research Project

Project/Area Number 26882022
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

野本 貴大  東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (00734732)

Project Period (FY) 2014-08-29 – 2016-03-31
Keywordsドラッグデリバリー / 光線力学療法 / 高分子
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、腫瘍関連マクロファージをターゲットするための機能と、腫瘍関連マクロファージと周辺のがん細胞を同時に殺傷するための機能を一つの高分子に統合すべく、アセタール-ポリエチレングリコール-ポリアミノ酸をベースとして、ポリアミノ酸部分に光増感剤を結合する方法、アセタール部分にM2マクロファージをターゲットするためのペプチド(M2pep)を結合する方法の検討を行った。
当初、ポリアミノ酸部分にはポリアスパラギン酸誘導体を用いて検討していたが、ポリアスパラギン酸側鎖に光増感剤を結合するには反応に時間を要し、さらに反応中に高分子主鎖が分解するという問題が生じた。分解を抑えるためには温度を下げる必要があったが、温度の低下とともに光増感剤の溶解性が低下し反応効率も低下してしまうため、ポリアミノ酸部分にはポリアスパラギン酸誘導体ではなく、ポリグルタミン酸誘導体を使用することにした。その結果、高分子主鎖の分解を抑制することができ、反応温度を上昇させることができたため、光増感剤の溶解性も向上し、高分子に光増感剤を結合する条件を見出すことに成功した。これと同時にアセタール部分にM2pepを導入する反応条件をアセタール-ポリエチレングリコールを用いて検討したところ、効率よくM2pepを結合するための条件を見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画ではアセタール-ポリエチレングリコール-ポリアスパラギン酸誘導体のポリアスパラギン酸誘導体側鎖部に光増感剤を結合する予定で、様々な溶媒、温度、反応時間で結合を試みたが、高分子主鎖の分解、光増感剤の溶解性等の課題から、ポリアスパラギン酸誘導体側鎖に光増感剤を結合することは容易では無いことが示唆された。それ故に、目的の機能性高分子を構築するための反応条件の検討に予定よりも時間を要してしまったものの、ポリグルタミン酸誘導体をポリアスパラギン酸誘導体の代わりに用いることにより、上述の課題を解決することに成功しており、また、それと同時並行で進めていた、M2pepをアセタール基へ導入するための反応条件も見出されたため、当初の研究目的通り、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度の研究において、アセタール-ポリエチレングリコール-ポリアミノ酸のポリアミノ酸部位に光増感剤を結合させ、また、アセタール基に対してM2pepを結合させるための条件を見出している。そのため、目的の機能性高分子を構築するための反応条件が揃っており、今後は目的物の高分子の機能性評価を中心に行う。
まず、評価に必要なだけの機能性高分子の合成をスケールアップして行う。次に、M2様マクロファージとがん細胞の共培養系での、機能性高分子のマクロファージへの選択性、細胞内動態、細胞毒性を、共焦点レーザー走査型顕微鏡とフローサイトメトリーを用いて評価する。これらの評価が順調に進展し、機能性高分子の有用性が示唆された場合、マウス皮下腫瘍モデルを用いた評価へと発展させる。具体的には機能性高分子の臓器分布を定量するとともに、腫瘍組織の切片を作成して、腫瘍関連マクロファージに光増感剤が送達されていること、また腫瘍関連マクロファージにより深部まで光増感剤が到達していることを検証する。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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