2014 Fiscal Year Annual Research Report
中高生年代の能動的居場所に関する学際的研究―ナナメの関係の観点から―
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26882028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
枝廣 和憲 岡山大学, 学内共同利用施設等, 講師 (80737172)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 居場所 / ナナメの関係 / 子ども環境学 / 臨床心理学 / 青年心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
中学生・高校生年代を対象とした能動的居場所形成に関する調査,質的検討を行った。 具体的には,以下について調査,検討を行った。 1)中学生・高校生年代を対象とした能動的居場所形成について,ナナメの関係に着目し,フィールド調査を行い,エスノグラフィの手法を用いて,中学生・高校生年代を対象とした能動的居場所おいて形成されるナナメの関係の質的検討を行った。結果,それぞれのエピソードに共通してみられるのは,高校生と大学生スタッフが,両者とも敬語等を使わず同等にしゃべっている点である。また,フィールドノーツ3で見られているように行動にも両者ともに遠慮がない点も特徴的である。一方で,フィールドノーツ2で観察されたように,進路について話す際には,敬語等は用いない同等のような関係ではあるが,「相談」を持ちかけており,ナナメの関係が推察された。 2)アメリカの能動的居場所形成に関して,「学校全体における積極的行動介入および支援(School-Wide Positive Behavioral Interventions and Supports」を実施している機関について,フィールド調査を実施した。「学校全体における積極的行動介入および支援(School-Wide Positive Behavioral Interventions and Supports」を実施している機関について,全校生徒および教職員の居場所感を総合的に向上させていると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが,業務との兼ね合いで大々的なフィールド調査を行うことが難しい状況にある。しかながら,申請者は,能動的居場所形成の関係者と密に連絡を取り合っており,大幅な変更はせず,計画通りに進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の協力校との調整を第一に検討しなければならない。調査協力校の変更等も視野に入れ,対応していく予定である。また,質的なデータをより綿密にすることにより,全体計画の研究の質の担保につなげていく予定である。 また,必要に応じて,調査協力者からアドヴァイス等を受け,適宜研究計画を調整していく予定である。
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