2014 Fiscal Year Annual Research Report
コアシェル構造を有する新奇Mg-Pdナノ粒子の開発と水素吸放出特性評価
Project/Area Number |
26889034
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小川 智史 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70739101)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 表面・界面物性 / 水素 / X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では持続可能なエネルギーシステムの要である水素の安全な貯蔵及び運搬を可能にする水素吸蔵材料の開発を目指しており、Mgナノ粒子をPd層で被覆したコアシェル型ナノ粒子に注目している。軽量かつ安価な水素吸蔵材料であるMgをナノ粒子化し、高い水素分子解離活性を有するPdで被覆することによって、室温付近での水素吸放出と大気酸化の抑制が期待できる。本研究課題ではその作製と水素吸放出特性の評価、Mg-Pd界面の化学状態分析を行い、多角的な分析からその物性を明らかにすることで、Mgナノ粒子を用いた水素吸蔵材料の実応用化における設計指針を得ることを目的として行う。 本年度はMg-Pdコアシェル型ナノ粒子作製のためにタンデム型ナノ粒子作製装置を整備し、その調整を行った。タンデム型ナノ粒子作製装置の開発と同時に、従来のナノ粒子作製装置を用いたMg-Pdナノ粒子材料の水素吸放出特性評価と化学状態分析を行うことで、水素吸放出時における表界面の状態変化を詳細に調べた。その結果、表面及び界面共に水素吸放出前後で不可逆的な変化を示すことが明らかとなり、繰り返し水素吸放出によって水素吸蔵量が著しく低下することが明らかとなった。この不可逆的な状態変化はPdがMgを完全に被覆できていないことが原因の一部であることが考えられるため、Mg-Pdコアシェル型ナノ粒子では可逆的な水素吸放出が期待できる。本年度はそれらの成果を学会や論文誌等で発表することで成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Mg-Pdコアシェル型ナノ粒子作製にむけたタンデム型ナノ粒子作製装置の立ち上げ、調整を終えており、形態評価、水素吸放出特性評価、化学状態分析も可能となっている。さらにナノ粒子の水素吸放出時における状態変化についても明らかになってきており、おおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMg-Pdコアシェル型ナノ粒子のP-C等温線の測定とMg-Pd界面化学状態分析を行い、界面化学状態と水素吸放出特性との相関について明らかにすると共に、その結果を反映させることで室温での繰り返し水素吸放出が可能なナノ粒子材料の開発を行っていく。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Hydrogen Storage Property of the Pd nanoparticle with clean surfaces studied by QCM2014
Author(s)
Satoshi Ogawa, Taishi Fujimoto, Naoki Uchiyama, Tomomi Kanai, Chie Tsukada, Tomoko Yoshida, Shinya Yagi
Organizer
The 7th International Symposium on Surface Science (ISSS-7)
Place of Presentation
Shimane Prefectural Convention Center, Kunibiki Messe, Matsue, Shimane, Japan
Year and Date
2014-11-02 – 2014-11-06
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