2015 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心筋症におけるユビキチン転移酵素ITCHの機能解明
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26893025
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大瀧 陽一郎 山形大学, 医学部, 医員 (80732693)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 翻訳後修飾 / ユビキチン転移酵素 / 心筋梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血性心筋症は、心筋梗塞後にさまざまな細胞内シグナルが複雑に絡み合い発症する。HECT型ユビキチン転移酵素は、タンパク質をユビキチン修飾することで分解し、細胞内シグナルを調節する。また、HECT型ユビキチン転移酵素ITCHは、標的タンパク質を分解することで、細胞死や細胞形態を調節する。ITCHが標的タンパク質を分解することで、心筋細胞内シグナルに与える影響を検討するとともに、マウス心筋梗塞モデルや虚血再灌流モデルを作成し、心保護的に働くか検討を行った。 研究過程で、ITCHがp73やDvl-1を分解し、Wnt/βカテニンシグナルを調節していることを示した。これらのシグナルの確立が実験期間内に検証するには期間が不十分であったため、標的タンパク質としてを酸化ストレスとアポトーシスによる細胞死を調節するTXNIPを追加し、詳細なシグナルを検討した。最終的に、ユビキチン転移酵素ITCHを心筋細胞に過剰発現することで、TXNIPとp73を分解し、p38MAPKとp53のリン酸化を抑制し、intrinsic pathwayによる心筋細胞のアポトーシスを抑制することを発見した。 以上を踏まえて、心筋特異的ITCH過剰発現マウスを作成し、心筋梗塞におけるITCHの意義を検討した。ITCH過剰発現マウスは、野生型マウスに比較して心筋梗塞巣を縮小し、心筋のリモデリングを抑制した。心筋梗塞後、28日の生存率を比較したところ、ITCH過剰発現マウスは有意に生存率が高率であった。 以上からユビキチン転移酵素ITCHは標的タンパク質を分解することで酸化ストレスを抑制し、心筋細胞のアポトーシスを抑制することを介して心筋保護的に働くことが示された。ITCHは新たな治療ターゲットになりうる可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] HECT-Type Ubiquitin E3 Ligase ITCH Interacts With Thioredoxin-Interacting Protein and Ameliorates Reactive Oxygen Species-Induced Cardiotoxicity2016
Author(s)
Yoichiro Otaki, Hiroki Takahashi, Tetsu Watanabe, Akira Funayama, Shunsuke Netsu, Yuki Honda, Taro Narumi, Shinpei Kadowaki, Hiromasa Hasegawa, Shintaro Honda, Takanori Arimoto, Tetsuro Shishido, Takuya Miyamoto, Hideaki Kamata, Osamu Nakajima, Isao Kubota.
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Journal Title
Journal of American Heart Association
Volume: 5
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Comorbid renal tubular damage and hypoalbuminemia exacerbate cardiac prognosis in patients with chronic heart failure2016
Author(s)
Yoichiro Otaki, Tetsu Watanabe, Hiroki Takahashi, Akira Funayama, Daisuke Kinoshita, Miyuki Yokoyama, Tetsuya Takahashi, Satoshi Nishiyama, Takanori Arimoto, Tetsuro Shishido, Takuya Miyamoto, Tsuneo Konta, Isao Kubota.
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Journal Title
Clinical reseaarch of Cardioogy
Volume: 105
Pages: 162-171
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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