2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄異形成症候群における病初期クローンメカニズムの解明
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26893127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 安伸 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90739575)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は予定通り再生不良性貧血(Aplastic Anemia, AA)10症例を蓄積した。末梢血からCD3陽性のT細胞分画を取り出し正常コントロールとして用いた。骨髄から抽出したDNAを腫瘍クローンと捉え、DNAを抽出しペアで全エクソン解析することが可能であった。 平均の読み取り回数は112回であり、10症例で全110個の体細胞性変異が確認された。これらにはPIGAなど再生不良背貧血で既報の遺伝子だけではなく、ASXL1やBCORなど骨髄系腫瘍で変異が報告されている遺伝子が含まれていた。一症例あたりの平均変異数は1.21個であり、塩基置換パターンとしては、加齢性変化に伴うようなCpG領域のCがTに変わるものが最も多かった。 今後、さらに全エクソン解析の対象となるような症例を蓄積することで、変異が同定される新規遺伝子が増えることが期待される。新たに同定された遺伝子については異なるコホートで標的シークエンス解析を行い、変異遺伝子の相関関係や予後などの臨床因子との関連について解析を行う予定である、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であったAA10症例に関しては集積が終了している。 全エクソン解析により問題なく体細胞性変異を同定できることが判明し、この手法が妥当であると結論付けられた。そのため、解析症例数を増やすことで新規の変異遺伝子をより多く同定することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
再生不良背貧血の全エクソン解析で認められた変異遺伝子の中には、骨髄異形成症候群で高頻度に変異が認められる遺伝子が含まれていた。今後、これらの遺伝子については、さらに解析症例数を増やし、他の共通した遺伝子変異との関連や排他性、生存や病型など臨床データとの比較を行うことで、MDSの極早期における腫瘍発症メカニズム解明の一助を目指す。
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Research Products
(6 results)