2014 Fiscal Year Annual Research Report
外来化学療法を受ける再発がん患者の多重症状の緩和に向けたプログラム開発の予備研究
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26893285
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
浅海 くるみ 東邦大学, 看護学部, 助教 (90735367)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 転移再発乳がん / 外来化学療法 / 多重症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、乳がん罹患率は増加の一途を辿っているが、新規抗がん剤の開発により、再発や転移を来した乳がん患者への治療効果は改善している。しかし、手術適応とならない転移再発乳がんへの抗がん剤治療の目的は、根治ではなくQuality of Life(QOL)の改善であることが多く、癌および副作用に起因する症状など、患者は多種多様な身体・心理社会的苦痛を抱える。そこで本研究は、外来化学療法を受ける転移再発乳がん患者の同時に発生する複数の症状の実態と生活への影響を明らかにすることを目的とした。平成26年度は、文献検討により、外来化学療法を受ける再発乳がん患者の同時に発生する複数の症状の実態と生活への影響が明らかになる調査項目を抽出した。文献検討の結果、乳がん患者は、疼痛・倦怠感・不眠症・抑うつ症状が同時多発的に起こることによって身体機能に影響を及ぼすこと、QOLへの影響が示された。一方で、転移再発乳がん患者は、複数の症状が同時多発的に起こることによって、どのような日常生活動作に影響を及ぼしているのか、またどのような対処をとっているのかについて具体的に明らかにされていなかった。そこで、次年度は、対象者の主観的体験および日常生活動作への影響・対処を明らかにする面接調査、また複数の症状の重症度およびQOLを明らかにする質問紙調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、平成26年度は文献検討を重ね、調査項目を抽出した。さらに、研究実施施設の乳腺外科医師や外来看護師と研究計画の詳細について議論を深め、研究遂行の基盤をつくった。さらに、研究者の所属施設および研究実施施設の倫理審査委員会において、研究実施の承認を得て、平成27年4月より調査を開始した。現在まで、合計6名の研究対象者より同意を得て、データを収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、外来化学療法を受ける転移再発乳がん患者の同時に発生する複数の症状の実態と生活への影響に関する実態調査を実施する。平成27年4月~8月は、個別面接調査および質問紙調査を、一人の対象者に対して合計2回実施する。対象者数は、20名程度を予定している。平成27年9月~平成28年3月は、データの分析および論文を執筆する。本研究の成果は、平成28年2月に開催される日本がん看護学会において発表する予定である。
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