1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59510220
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐藤 昭 横国大, 教育学部, 助教授 (50092648)
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Keywords | 北京読書音 / 清代官話 / 梗摂二等韻母の音韻変化 / 中古中国語 / 古官話 / 中国語北方方言 / 北京語音韻の歴史 |
Research Abstract |
1.《いわゆる北京読書音について》この論考は王璞著『国音京音対照表』(1921年)を資料として、北京俗音と区別される北京読書音を重点的にあつかったもの。清代出版の中国語学書によれば、当時の官話には「北官話」「南官話」とよばれる二つの種類があり、知識人・教養人の間に広く通行したのは後者のほうで、王璞の記載する北京読書音は、その「南官話」の系統を引くものであることを述べた。 2.《梗摂二等韻母の音韻変化の特色について》この論考は、中古中国語の梗摂二等韻母が中古以後、他の摂の二等韻母とことなってたいへん特色ある音韻変化を経験したことをいくつかの方言資料や漢字音資料から指摘し、その変化の原因と変化過程を考察したもの。 以上の2篇の論考は、それぞれ62年発行の学会雑誌,大学の研究紀要に発表予定。 3.《北京語および北方方言の音韻史的研究》この研究は上記2論考とちがって総合的,包括的なもので、北京語および北方方言の各種の発音を、声母方面と韻母方面に大きくわけて、それぞれ歴史的にどう推移変化してきたかを、中古中国語・近世中国語・古官話・近代官話・現代語の順にくわしくあとづけようとしたもの。とくにこの研究は、清代官話というものを積極的に重視し、その実態を明確にしつつ、それと今日の北京語・北方方言との相互関係を考察している点に特色があると考えている。
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Research Products
(1 results)