1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
59870042
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 医, 教授 (50079828)
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Keywords | 微粒子活性炭 / 抗癌剤 / 癌性腹膜炎 / リンパ節転移 / MMC |
Research Abstract |
微粒子活性炭に抗癌剤を吸着させ、活性炭を抗癌剤のキャリアーやリザーバーとして使用するために、基礎的に検討を重ね臨床にも応用してきた。従来開発してきたマイトマイシン吸着活性炭は、癌性腹膜炎やリンパ節転移に対して用いられ、それぞれ成果を挙げている。特に癌性腹膜炎に対する効果には著しいものがあり、切除不能であった胃癌がMMC活性炭を投与後切除可能になった例が認められた。また、いったん癌性腹膜炎として重篤な状態で入院した患者が、本法施行後退院可能となり、通常の社会生活に復帰した例も数例に認められた。以上のような臨床成果の他に、本年度はアドリアマイシン吸着活性炭の基礎的な検討を進めた。癌の種類によってはMMCが必ずしも効果を示すわけではなく、そのような場合に他の種類の抗癌剤を吸着させた活性炭が必要になってくる。アドリアマイシンは乳癌などに広く用いられている薬剤であるので、乳癌のリンパ節転移や癌性胸腹膜炎に対して使用するためアドリアマイシン吸着活性炭を開発した。その結果アドリアマイシンは活性炭に大量に吸着され、徐々に活性を保持したまま遊離してくることが分った。ただMMCの場合と違い不可逆的に活性炭に吸着される割合がやや高く、更に活性炭の種類の検討などが必要と考えられた。また、本年度は動脈内投与による塞栓化学療法に応用するため、サイズのやや大きな活性炭を開発した。この活性炭に対する抗癌剤の吸着遊離などの特性については、従来のタイプのものとほぼ同様の結果が得られたので、ウサギを用いてその安全性を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 日本医師会雑誌. 93-2. (1985)
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[Publications] 日本消化器外科学会雑誌. 18-5. (1985)
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[Publications] 秋田医学. 11. (1985)
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[Publications] 最新医学. 40-9. (1985)