1985 Fiscal Year Annual Research Report
バイオグラスコーティングによるチタニウムインプラントの新開発
Project/Area Number |
59870062
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
津留 宏道 広島大学, 歯, 教授 (90034157)
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Keywords | インプラント / セラミック / バイオグラス / 病理組織 |
Research Abstract |
日本猿(成猿)を用い、抜歯後3カ月を経過した【M_1】【P_2】【P_1】【P_1】【P_2】【M_1】部にバイオグラスコーティングしたチタニウムインプラントを埋入し、粘膜弁にて口腔と遮断した。3カ月の治癒期間終了後、同部粘膜を再び切開し、アバットメントを装着した。粘膜の治癒後、機能圧を負荷するため、硬質レジン製の上部構造物を装着した。上部構造物装着後は、0.2%クロルヘキシジンによる口腔内洗浄とブラッシングを週2回併用し、口腔清掃を行った。観察期間は埋入後6カ月(機能圧負荷3カ月後)とし、期間終了後、動物を屠殺し、組織学的ならびにX線学的に検討を行った。 組織学的にみると、多くの場合インプラントに骨が直接結合している像がみられたが、わずかの部位には、疎性結合織が接している所見も認められた。炎症細胞浸潤は認められなかった。インプラントに接する歯肉の炎症は全体的に軽度であった。 X線学的には、インプラント周囲骨組織に特に異常は認めず、対照歯と変らぬ骨梁パターンを示す海綿状骨がインプラントに接していた。 臨床的観察では、肉眼的には特に歯肉部に異常は認めなかった。またインプラントの動揺や脱落も認めなかった。 現在さらに電顕的観察及び検討を行っている。 以上、本年度の結果から、バイオグラスコーティングしたインプラントの臨床応用への可能性が示された。引き続き次年度では、咬合機能を負荷させた状態におけるインプラント周囲組織の変化を、6カ月から12カ月後まで観察し、長期間にわたるインプラント・組織界面のあり方について検索を進めていく予定である。
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