1986 Fiscal Year Annual Research Report
日本語の普遍性と個別性に関する理論的及び実証的研究
Project/Area Number |
60060001
|
Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
井上 和子 津田塾大, 学芸学部, 教授 (10052193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥津 敬一郎 東京都立大学, 人文学部, 教授 (40086947)
大津 由紀雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80100410)
野元 菊雄 国立国語研究所, 所長 (40000400)
村木 正武 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20052201)
水谷 修 名古屋大学, 総合言語センター, 教授 (60088789)
|
Keywords | case marking / error analysis / GB Theory / Language Acquisition / linguistic universals / parameters / syntax / Theta roles |
Research Abstract |
本研究の実績の大部分は62年2月2日の「大学と科学」の公開シンポジウムにおいて発表した。その内容は理論面では、GB理論(井上)一般句構造文法(村木)、言語類型論(柴谷)、実証面では、心理言語学(大津)初級日本語実験クラス(野元)言語行動と話しことばに関する実験(水谷)からの成果であった。1.理論:(1)GB理論をもとに日本語の主語と諸構造の関係を主語にたいする主題役割(意味役割)付与と格付与に関する一般原則に照らして分析し、日本語の普遍性と個別性に関する具体的知見を得た。(井上)(2)GPSGによる「たい」「「がる」の分析・比較の「より」逆説の「が」対照の「は」の統語的・意味的分析を行った。(村木)(3)主としてフィリピン諸語の主語とヴォイスに関する類型論的研究。(柴谷)(4)誤用分析に関する「学習の方策」の仮説を実験によって検討し、理論の新しい展開を見た。(野元)2.実験:(1)場面と言語および言語行動との関係に関する実験(水谷)(2)心理言語学による実験:(【i】)照応的「自分」の発達(【ii】)英語の代名詞と先行詞の構造条件と英文法(大津)(3)初級日本語の実験クラスにおける観察と実験(野元)3資料収集とデータベース化:(1)作文における誤用の文法事項による分数とカード化(井上)(2)言語行動に関する実験の録音とビデオ化(水谷)(3)日本語の鼻音、鼻母音の発音に関する外国人の誤りのスペクトログラム収集(村木)(4)文献に現われた誤用例のデータベース化(野元)(5)心理言語学関連の文献をコンピュータに入力、welloプロジェクトの発話資料をコンピュータに入力(大津)(5)中国語・朝鮮語を母語とする初級学習者の一年間にわたる追跡調査資料の収集、文字化、コンピュータへの入力(奥津)(6)作分資料の収集と分析(寺村)4.コンピュータプログラム開発:分担者の作成したデータベースの互換性を持たせるためのデータベース応用プログラムの開発(山田)
|
Research Products
(27 results)
-
[Publications] 井上和子: 言語. 12vol.15/No.72-82 (1986)
-
[Publications] 井上和子: Nitobe-Ohira Memorial Conference on Japanese Studies,Proceedings Pannel 4. 1-53 (1986)
-
[Publications] 井上和子: 研究報告(1)「日本語の普遍性と個別性に関する理論的及び実証的研究」. 25-53 (1986)
-
[Publications] 水谷修: 日本語教育. 59号. 62-75 (1986)
-
[Publications] 水谷修: 言語. 16-3. 20-25 (1987)
-
[Publications] 水谷修: 中日新聞. 23回. (1986)
-
[Publications] 水谷修,水谷信子: THE JAPAN TIMES. 52回. (19861987)
-
[Publications] 村木正武: 『教育研究』,国際基督教大学教育研究所. 28. 187-204 (1986)
-
[Publications] 村木正武: 『教育研究』,国際基教大学教育研究所. 28. 221-236 (1986)
-
[Publications] 村木正武: Saga,Matso.ed.,Proceedings of the Nitobe-Ohira Memorial Conference on Japanese Studies of May 1984(Panel 4i Japanes. 97-123 (1986)
-
[Publications] 村木正武: 『教育研究』国際基督教大学教育研究所. 29. (1987)
-
[Publications] 村木正武: 『第1回「大学と科学」公開シンポジューム【i】日本語の特性と機械翻訳予稿集』. 11-22 (1987)
-
[Publications] 奥津敬一郎: 国文目白25号. 80-87 (1986)
-
[Publications] 奥津敬一郎: 日本語学8月号. 6-8. 70-78 (1986)
-
[Publications] 大津由紀雄: 『日本語の特性と機械翻訳』. 33-43 (1987)
-
[Publications] Masayoshi Shibatani: Bulletin of the Facalty of Letters,Kobe University. 13. 13-81 (1986)
-
[Publications] Masayoshi Shibatani: Working Papers from the First SDF workshop in Japanese Syntax. 147-168 (1986)
-
[Publications] 柴谷方良: 国文学解釈と鑑賞. 51.1. 155-158 (1986)
-
[Publications] 柴谷方良: 言語研究. 90. 75-96 (1986)
-
[Publications] 井上和子: "日本語の普遍性と個別性に関する理論的及び実証的研究" 井上和子, 276 (1986)
-
[Publications] 水谷修: "NATURAL JAPANESE【I】/【II】" ソニー株式会社, 252/136 (1986)
-
[Publications] 水谷修+他: "看呼学 中国からの帰国者のための「はじめての日本語」" 文化庁, 84 (1987)
-
[Publications] 水谷修,水谷信子: "HOW TO BE POLITE IN JAPANESE" JAPAN TIMES+社, 160 (1987)
-
[Publications] 奥津敬一郎・沼田善子・杉本武: "いわゆる日本語助詞の研究(序章、第1章を奥津0【1!¨】執筆3〜104page)" 凡人社, 399 (1986)
-
[Publications] 大津由紀雄(編著): "『ことばと人間の心』" 東大出版会, 250 (1987()
-
[Publications] 村木正武著今井邦彦編: "チョムスキー小事典(チョムスキーとモンタギュー文法)" 大修館書店, 208-211 (1986)
-
[Publications] 水谷修: "海外広報(外国人に対する日本語教育)" 有斐閣, 187-204 (1986)