1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60065004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 宏 東北大学, 医, 教授 (60025632)
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Keywords | VIP / PHM-27遺伝子 / インスリン / VIP / PHM-27mRNA / 膵B細胞腫 / Phorbol esters / Vasoactive Intestinal Peptide(VIP) / rig(Rat Insulinoma Gene) |
Research Abstract |
1. ヒト血管作用性ペプチド(Vasoactive Intestinal Peptide,VIP)の生合成調節機構。 1)Human genomic libraryからVIP/PHM-27cDNAをプローブとしてVIP/PHM-27遺伝子を取り出し、その塩基配列をDideoxy法で決定した。その結果、VIP/PHM-27遺伝子の全長は約8.8kilobase pairであり、7個のエクソンと6個のイントロンから成り、第2番目のエクソンにシグナルペプチド、第4番目のエクソンにPHM-27、第5番目のエクソンにVIPがcodeされていることが明らかになった。 2)ヒト神経芽腫培養細胞の培地にdibutyryl cAMP(Bt2cAMP)を添加すると細胞内VIP/PHM-27mRNA量は約9倍増加し、TPAやPDDなどのPhorbolestersの添加で約4倍増加し、Bt2cAMPとPhorbol esterの同時添加では約36倍に増加した。 これらのVIP/PHM-27mRnaの増加はいずれもアクチノマイシンDで阻止された。 これらの結果からVIP/PHM-27遺伝子の発現はcAMP系とC-キナーゼ系を介して転写レベルで調節されていることが明らかにされた。 2. インスリン産生ランゲルハンス島B細胞の癌化・再生増殖機構。 1)ストレプトゾトシンとニコチン酸アミドで誘発した膵B細胞腫で特異的に発現している遺伝子を単離し、その構造を決定した。 この遺伝子は75アミノ酸から成る塩基性タンパク質をcodeしており、その構造はこれまで知られている癌遺伝子や増殖関連遺伝子のいずれとも異なっていた。 また、この遺伝子はアロキサンとニコチン酸アミドで誘発したB細胞腫でも発現しており、一般的にB細胞腫で特異的に発現している遺伝子と考えられ、rig(Rat Insuliroma Gene)と名付けた。 2)再生B細胞ではDNAへのthymidineの取り込みは著しく増加していた。 分離用超遠心機等の備品、放射性化合物等の消耗品は60年度に行われた研究に有効に使用された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] BioEssays. 2-1. (1985)
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[Publications] Biomed.Biochim.Acta. 44-1. (1985)
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[Publications] ADP-Ribosylation of Proteins,Springer Verlag,Berlin,Heidelberg. (1985)
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[Publications] Biochem.Biophys.Res.Commun.132-3. (1985)
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[Publications] J.Biol.Chem.261-10. (1986)
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[Publications] Cancer Research. 45-4. (1985)