1986 Fiscal Year Annual Research Report
木材流通の適正化と流通機構の再編に関する総合的研究
Project/Area Number |
60301102
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小嶋 睦雄 静大, 農学部, 助教授 (50022273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 勝久 島根大学, 農学部, 助手 (80159863)
藤原 三夫 京都大学, 農学部, 助手 (20144347)
川田 勲 高知大学, 農学部, 助教授 (40036752)
堺 正紘 九州大学, 農学部, 助手 (70038248)
林 進 岐阜大学, 農学部, 講師 (10021718)
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Keywords | 木材流通 / 原木市売市場 / 丸太の径級別商品分化 / 共同販売 / 間伐 / 産直住宅 / 産地間競争と協調 / マツ |
Research Abstract |
1.丸太商品は用途の汎用性と共に市場の汎用性を持ち、そのため広域流通や買い手間の錯綜した競争構造が形成されていること。(1)スギ丸太では、買い手間に径級別分化傾向が顕徴にみられる一方、価格形成要因分析からみた商品分化は進んでいない。(2)ヒノキ丸太では、径級別商品分化が進み、それぞれ分化した商品ロット内で買い手間競争が展開される構造を有している。 2.マツ材の流通構造は、優良大径材の顕徴な減少・マツクイムシ被害等による資源の劣弱化のなかで、地域、用途によって需給バランスが不安定であり、従来の域産域消性が薄れ、広範な流通経路を形成している。特に、マツクイムシ被害は撹乱要因となっており、被害の移動とともに変化している。被害木の価格低下が山元での立木売上げ所得の低下に大きく影響している反面で、加工業者では原料木を安価に入手している。また、被害木はその使用価値以上に低く価格形成されることが多く、素材生産業者や加工業者の利潤に転化している場合が多い。 3.木材流通の合理化、流通経路の短縮や流通マージンのカット等が叫ばれるなかで、原木市売市場の流通機能が見直されている。静岡県天竜,三重県松阪,岐阜県東濃,徳島県三好,高知県嶺北,大分県日田や宮崎県都城地域等では市場流通量が増大している。しかし、林業振興の観点から原木市場の配置上、市場の集荷・販売圏の広がりの問題、規模の問題等を内抱している。 4.産地間競争・産地の活性化の重要な手段として共同販売方策と産直住宅方策の具体的な検討をすすめている。前者では宮崎県・熊本県などの地場需要をあまり期待できない遠隔地型産地や「新」製品の共同生産・共同販売に取り組んでいる天竜産地等を調査研究した。後者として、林材一体かつ自治体のバックアップによる産直住宅の盛んな岐阜県や愛知県の事例を調査している。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 小嶋睦雄: 日本林学会中部支部大会論文集. No.35. (1987)
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[Publications] 堺正紘: 日本林学会九州支部研究論文集. No.39. 1-2 (1986)
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[Publications] 堺正紘: 日本林学会九州支部研究論文集. No.39. 311-316 (1986)
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[Publications] 堺正紘: 日本林学会九州支部研究論文集. No.39. 7-8 (1986)
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[Publications] 林進: 日本林学会中部支部大会論文集. No.34. 115-117 (1986)
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[Publications] 林進: 日本林学会大会発表論文集. No.97. 29-30 (1986)
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[Publications] 伊藤勝久: 日本林学会大会発表論文集. No.98. (1987)
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[Publications] 川田勲: 日本林学会大会発表論文集. No.97. 53-54 (1986)
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[Publications] 岡森昭則: 林業経済研究. No.111. (1987)
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[Publications] 林進: 日本林学会中部支部大会論文集. No.35. (1987)