1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60304005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安楽 泰宏 東大, 理学部, 教授 (20012643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 常祥 基礎生物学研究所, 教授 (50033353)
石川 辰夫 東京大学, 応微研, 教授 (20011520)
柳田 充弘 京都大学, 理学部, 教授 (80025428)
田中 健治 名古屋大学, 医学部, 教授 (70013315)
柳島 直彦 名古屋大学, 理学部, 教授 (30022742)
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Keywords | 酵母 / 細胞周期 / 生活環 / 光制御 / 母性遺伝 / 同調培養 / 染色体 |
Research Abstract |
細胞の分裂と増殖は生命の基本過程である。その過程は高次のプログラムによって時間的・空間的に巧妙に制御されている。本研究は下等真核生物から高等植物に至るまで様々の系で細胞周期を専攻する研究者を結集して研究交流と研究の組織化を推進することを目的としている。61年度は本研究の第2年次に当り、班員はそれぞれの分担課題に関して新しい研究成果をいずれも国際的な欧文誌に投稿した。柳田,柳島,下田,宇野,安楽,大隅,田中は酵母にその研究を集中した。柳田は染色体の分離とサイトキネシスとの関係を多数の変異株を解析することによって明らかにし、両者が独立に制御されていることを示した。宇野は、RASとアデニルシクラーゼの相互作用を分子レベルで研究した。安楽・大隅は細胞周期,αファクターの関与する接合の初期過程に【Ca^(2+)】イオンが重要な役割を担うことを示唆する結果を得た。柳島は様々のSaccharomyces属から性フェロモンを単離し、その互換性から作用機序に関する推察を深めた。田中は核分裂・細胞分裂過程における細胞骨格の動的構造変化を電顕的に明らかにした。下田は減数分裂に関与する一群の遺伝子の発現制御系を解析した。長船はユーグレナ同調培養系を用いて細胞周期における葉緑体・核などの相互作用を解析した。黒岩はクラミドモナスの葉緑体核の母性遺伝のメカニズムを明らかにし、【Ca^(2+)】感受性ヌクレアーゼの関与とその普遍性を示した。石川はヒトヨタケの形態形成に関する変異株の遺伝学的及び生化学的解析を行った。和田はシダ原系体のG1期進行を制御する青色光吸収色素の細胞内存在部位を偏光をもちいて明らかにした。庄野はタバコの同調培養系を確立し、植物ホルモンの関与について検討した。本年度は植物学会に於いて関連集会を開催し、酵母の性フェロモンの作用をめぐって話題提供と議論がなされた。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] Kuroiwa,T: Protoplasma. 133. 85-87 (1986)
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[Publications] Nakamura,S: Plant Cell Physiol.27. 775-784 (1986)
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[Publications] Ohya,Y.: J.Gen.Microbiol.132. 979-988 (1986)
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[Publications] Ohya,Y.: J.Bacteriol.165. 28-33 (1986)
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[Publications] Kanda,T: J.Gen.Appl.Microbiol. 32. 283-291 (1986)
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[Publications] Ishikawa,T.: Bio Essays. 4. 52-56 (1986)
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[Publications] Tsuhada,S: British Phycological Journal. 21. 155-163 (1986)
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[Publications] Tanaka K.: J.Cell Sci. 80. 253-268 (1986)
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[Publications] Kishida,M.: Current Genet.10. 443-447 (1986)
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[Publications] Shimoda,C: J.Bacterial.269. 93-96 (1986)
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[Publications] Matsumoto,K.: J.Bacteriol.168. 1352-1357 (1986)
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[Publications] Uno.I: Yeast Cell Biol. 33. 113-123 (1986)
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[Publications] Uemura,T.: EMBO J.5. 1003-1010 (1986)
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[Publications] Hirano,T.: EMBO J.5. 2973-2979 (1986)
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[Publications] Kadota,A: Plant Cell Physiol.27. 989-995 (1986)
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[Publications] Kadota,A: Plant Cell Physiol.27. 903-910 (1986)
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[Publications] Sarurai,T: FEBS Let.203. 285-288 (1986)
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[Publications] Hisatomi,T: Current Genet.10. 887-892 (1986)
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[Publications] Nishinari,K.: Plant Cell Physiol.27. 147-153 (1986)