1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60304018
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
後藤 寛治 北海道大学, 農学部, 教授 (40001755)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 明 北海道大学, 農学部, 教授 (30001374)
玖村 敦彦 東京大学, 農学部, 教授 (80011823)
松本 重男 九州大学, 農学部, 教授 (50108677)
津野 幸人 鳥取大学, 農学部, 教授 (00036287)
武田 友四郎 九州大学, 名誉教授 (70038157)
|
Keywords | 収穫指数 / 光合成能力 / 呼吸速度 / 窒素利用効率 / 光エネルギー転換効率 |
Research Abstract |
本年は、イネ科作物,マメ類,イモ類,比較作物班に分かれて研究を推進してきた。えられた主な成果は、つぎのとおりである。 1.日本の稲はsink capacityが極めて小さい。多収稲は、根の呼吸速度が、上,下層分布根の間で差が少なく、登熟が良かった。 2.春播コムギの子実収量は、収穫指数の向上によって多収化しているが、年次によっては全重か収穫指数のどちらかに、より強い影響を受ける。 3.ラッカセイは、亜種hypogaeaとfastigiataとの雑種に由来する品種(例えば、タチマサリ)が、早生化,大粒化し、収穫指数が高く、多収である。 4.有限伸育型(日本型品種)のソラマメは、100本/【m^2】ぐらいの有効茎を確保することが多収の必要条件である。5.サツマイモは光合成能力の高い時期に塊根肥大を開始すること、非同化器官の割合を低くすること、および耐肥性の高い品種を利用することによって多収がえられる。 6.バレイショで、裁培種と近縁種の雑種系統を密植裁培したところ、10t/10a以上の記録的な塊茎収量がえられた。 7.サトイモは、多肥密植下で乾物生産量が大きく、葉面積指数が5かそれよりやや低目の時に生産効率が高い。 8.窒素の利用効率には作物間差異がみられる。 高い作物は、てん菜,バレイショで、以下トウモロコシ,コムギ,イネ,ダイズの順で低くなる。効率の年次変動の大きい作物はてん菜で、小さい作物はバレイショ、窒素吸収量と収量の相関が高い作物はダイズであった。 9.生育期間中に吸収された光合成有効放射量(ΔPAR)と乾物生産量(ΔW)に基づいて、光エネルギー転換効率を算出して作物を比較した結果、高い作物から、エンバク,オオムギ,バレイショ,コムギ,ダイズ,サイトウ,アズキの順となった。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] 丹野久: 北海道大学農学部邦文紀要. 14. 352-356 (1985)
-
[Publications] 礒田昭弘: 日本作物学会紀事. 54. 311-317 (1985)
-
[Publications] 西部幸男,岩間和人,中世古公男: 日本作物学会紀事. 56. (1987)
-
[Publications] 王培武,中世古公男: 日本作物学会紀事. 55. 513-519 (1986)
-
[Publications] 津野幸人,中井敏久: 日本作物学会紀事. 55. 74-75 (1986)
-
[Publications] 木暮秩,丸尾勇治郎: 日本作物学会紀事. 55. 116-117 (1986)
-
[Publications] 縣和一,三浦重典,越智和代: 日本作物学会紀事. 55. 232-233 (1986)
-
[Publications] 佐藤亨,宮内英治,杉本秀樹: 日本作物学会紀事. 55. 41-42 (1986)
-
[Publications] 礒田昭弘,中世古公男,後藤寛治: 日本作物学会紀事. 55. 75-76 (1986)
-
[Publications] 石井龍一,長尾明秋,佐々木治人,玖村敦彦: 日本作物学会紀事. 55. 81-82 (1986)
-
[Publications] 佐々木治人,石井龍一,玖村敦彦: 日本作物学会紀事. 55. 83-84 (1986)