1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440034
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
横山 武 自治医科大学, 医, 教授 (30048938)
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Keywords | 間質性肺疾患 / 肺伸展固定 / 立体構築 / 軟X線像 / 超微形態像 |
Research Abstract |
間質性肺疾患および対照例の剖検20例の一側肺(びまん性細気管支炎OPB2例,特発性間質性肺炎11P2例,その他気管支喘息,慢性肺気腫などを含む対照肺18例)の伸展固定標本を作製した。 1.実体顕微鏡による観察:上記伸展固定肺を約1mmの厚さに薄切し、連続的に観察した。DPBでは、呼吸細気管支部の狭窄ないし閉塞の状態が明暸に判明し、またそれより近位部非呼吸細気管支の拡張を伴っていることが明らかとなった。11Pでは、いわゆる蜂窩肺が、細気管支拡張によることが、気管支から連続的に観察することによって明らかであった。また肺胞壁の肥厚も明暸となった。慢性肺気腫の肺胞の破壊も明らかである。これらは何れも伸定固定により実体観察が可能となるものである。 2.間質性肺疾患の三次元的解析:上記の病変部位を連続的に写真にとり、投影描画し、三次元画像解析装置を用いて解析した。DPBでは、呼吸細気管支の病変および近位の非呼吸細気管支の拡張が立体的に一目暸然になった。現在更に計測的検索を続行している。同時に11Pについても、三次元的解析および計測的解析の準備をしている。 3.伸定固定標本の軟X線装置(ソフテックス)による解析:伸定固定肺を1〜5mmの厚さに切りソフテックスにて観察した。DPBでは、その狭窄ないし閉塞部位が明らかとなり、対照肺と比較することにより、細気管支の連続的病変を知り得た。また11Pについても気管支から細気管支に至る病変が連続的に明らかとなった。 4.間質性肺疾患の超微形態学的検索:伸展固定標本肺の切片はそのまま走査電顕で観察可態である。DPBの細気管支粘膜面の異常および11Pの肺胞面の異常を対照と比べて観察した。DPBの呼吸細気管支の粘膜は破壊されており、また11Pの肺胞面には硝子膜と考えられる物質が密に付着していることが明らかとなった。
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