1988 Fiscal Year Annual Research Report
不応性貧血における赤血球フェリチンのheterogeneity
Project/Area Number |
60440054
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 保 北海道大学, 医学部, 教授 (10075161)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜田 恵右 北海道大学, 医学部, 講師 (80002161)
|
Keywords | 赤血球フェリチン / 酸性フェリチン / 塩基性フェリチン / カラム等電点電気泳動 / MDS(Myelodysplastic syndrome) / RA(Refractory anemia) / 赤血球内鉄 / レクチン親和性 |
Research Abstract |
輸血などの治療を受けていない不応性貧血(RA)と、RA以外のMyelodys plastic syndrome(MDS)としてRAEB、その他の血液疾患として鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、赤血球増多症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病および血液疾患以外の悪性疾患とし肺癌症例における赤血球フェリチンを検索した。溶血液を作製し、カラム等電点電気泳動(pH4〜6)により検討した。方法:Beutherらに準じて赤血球溶血液を作製し、等電点分離した検体をIRMA法(spac RIA kit、第一ラジオアイソトープ社)とRPHA法(山之内製薬)の両法でフェリチンを測定した。結果:健常人および各疾患での赤血球フェリチンのpIは、健常成人(2例)pI5.1〜5.7、RA(3例)pI4.7〜5.7、RAEB(1例)pI4.9〜5.9、鉄欠乏性貧血(1例)pI5.6〜5.9、溶血性貧血(2例)pI5.4〜6.3、他の1例は6.0〜6.7、赤血球増多症(1例)pI5.4〜5.9、急性白血病(de novo)pI4.8〜5.8、急性白血病(RAEBより進展)pI4.9〜5.9、慢性骨髄性白血病(chronic phase)pI5.3〜5.8、肺癌(1例)pI5.8〜6.8。以上の結果、慢性骨髄性白血病の症例を除いて、MDSを含む造血器悪性疾患の赤血球フェリチンのpIは、健常人に比して酸性側からフェリチンが出現し、そうでないものは健常人に比し塩基性側からフェリチンが出現した。造血器悪性疾患でフェリチンが健常人に比し酸性側から出現したことは、これらの疾患における造血能の異常を反映したものと考えられた。フェリチンの酸性化機序を調べるために、各種レクチンに対する親知性について検討した。その結果、RAにおける赤血球フェリチンはCon-A、LCA、WGA、RCAのいずれのレクチンにも結合性を持たず、従ってCon-A結合性を示す血清フェリチンとは、その酸化機序が異なるものと考えられた。さらに赤血球フェリチンの上昇機序が赤血球内ヘム非利用鉄によるか否かを検討(原子吸光計)したが、赤血球内鉄の昇を認め難く、鉄による誘導の可能性は考え難かった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] T.Miyazaki;et al.: Blut. 56. C4 (1988)
-
[Publications] T.Miyazaki;et al.: XXll Congress of the International Society of Hematology(Milano). 188 (1988)
-
[Publications] 宮崎保 他: 第8回腫瘍マーカー研究会記録. (1989)
-
[Publications] 大原行雄 他: 日本癌学会総会記事. 415 (1988)
-
[Publications] 宮崎保 他: 厚生省特定疾患特発性造血障害調査研究斑昭和63年度第2回斑会議総会平成元年1月28日発表.
-
[Publications] 大原行雄 他: 第51回日本血液会総会において発表予定. 52. 418 (1989)
-
[Publications] Yukio,Ohhara;et al.: IXth International Conference on Proteins of Iron etabolism.