1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440060
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐野 文男 北海道大学, 医, 講師 (10001687)
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Keywords | 光化学療法 / PDT / HpD / レーザー治療 / DAB肝癌 |
Research Abstract |
消化器癌に対する光化学療法(PDT)の基礎的研究として、HpD(Hemato porphylin Derivatises)投与後の経時的生体組織内分布を特に肝、脾、膵などの実質臓器ならびに食道、大腸、胃などの管腔臓器に関して検討した。さらに担癌ラットを用い腫瘍内HpD分布を検討した。 Wistar系ラットを用い、HpD2.5mg/kg,5.0mg/kg投与の2群に分け、HpD投与後、6,12,24,48,72,96時間の組織内rolative intensityをPulsed Nitrogen Laser(PRA,LN-103)337nm,およびMonocromator(JASCO,CT-10)350〜800nmを用いて測定した。 測定対象は、血清,肝,脾,膵,食道,大腸,胃である。 HpD投与48時間後の生体組織内 relative inteusityは、最も高値を示していた血清では減少し、脾,食道,大腸,肝,胃,膵の順となり、肝のとり込みは食道や大腸よりもむしろ少なく、またHpD投与量の差は認められなかった。 肝,脾などのRES臓器では、従来より消化管などと対比してHpDのとり込みが多いとされていたが、肝や膵に関しては消化管におけるとり込みと大差はなく、これらの実質臓器に対するPDTの可能性が示唆された。 次にHpDの腫瘍内へのとり込みをWKA系ラットの背部にDAB肝癌を移植した担癌ラットを用いて検討した。HpD投与後48時間で生着腫瘍を切除し、relative intensityを測定するとともに、暗視野下にアルゴンレーザー(630nm)を照射し、腫瘍部の蛍光を観察した。その結果、DAB肝癌にはHpDのとり込みがみられ、かつアルゴンレーザー照射により、蛍光の発ずることが確認された。 以上の研究結果から、本研究の消化器実質臓器癌に対する臨床応用の可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 日本臨床外科医学会雑誌. 45. 76-77 (1984)
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[Publications] 消化器外科セミナー. 19. 91-105 (1985)
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[Publications] 日本レーザー医学会誌. 5-3. (1985)
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[Publications] 日本レーザー医学会誌. 5-3. (1985)
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[Publications] 日本レーザー医学会誌. 6-3. (1986)