1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440060
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Research Institution | College of Medical Technology, Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐野 文男 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10001687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤居 仁 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (70133775)
西田 修 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (20125339)
柿田 章 北海道大学, 医学部, 助教授 (90109439)
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Keywords | レーザー治療 / 光化学療法 / PDT(Photodynamic Therapy) / HpD(Hematoporphyrin Derivative) / 肝癌治療 / 肝癌レーザー治療 / 実質臓器PDT / 穿刺照射法 |
Research Abstract |
実質臓器悪性腫瘍に対する化学療法、PDT(Photo dynamic Therapy)の臨床応用を目的に、1)転移リンパ節のレーザー診断、2)HpD(Hematoporphyrin derivative)とアルゴン・ダイ・レーザー(波長:630nm)穿刺照射による正常肝の組織障害性を家兎を用いて検討した。 1)リンパ節転移診断に対する実験的検討 可移植性癌VX2を日本白色イエウサギの胃前壁筋層内に移植し、転移リンパ節の肉眼診断と、HpDとアルゴン・レーザー照射による蛍光観察診断を行なった。開腹48時間前に、HpD(3mg/kg)を投与した群では、レーザー照射により腫瘍および転移リンパ節の蛍光が、image intensifierを介して観察され、直径5mm以上の転移リンパ節は確実に診断可能であり、直径3mmの転移リンパ節も診断可能であった。以上より、本法は術中のリンパ節廓清を的確に行なう情報を提供するものと思われる。 2)正常肝に対する穿辻照射(PDT)の効果 日本白色イエウサギをHpD非投与と投与(PDT開始60min前HpD5.0mg/kg iv)の2群に分け、アルゴン・ダイ・レーザー(出力250ー300mw)を10mmの深さに肝に穿刺したファイバーを介して肝を照射し(5min,10min)、PDT直後および72時間後の当該部位を病理組織学的に検討した。HpD非投与群における肝組織の障害程度は杯めて軽度なものであったが、HpD投与群においては、直径最小5mmから最大10mmにおよぶ肝組織の壊死巣が認められ、肝組織にたいするPDTの効果が認められた。肝腫瘍の場合は正常肝よりもHpDの組織内濃度が高く、腫瘍選択性の高い肝腫瘍の治療が可能になると思われる。また、経皮的な穿刺照射が可能であり、硬変合併例を含めた早期の肝癌に対する侵襲の少ない非手術的な根治治療が可能であると思われる。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 佐野文男: 腫瘍と感染. 1. 19-24 (1988)
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[Publications] 佐野文男: 日本医科器機学会雑. 58. 9-15 (1988)
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[Publications] 佐野文男: 胆と膵. 9. 1035-1042 (1988)
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[Publications] 佐野文男: 外科. 51. 157-162 (1989)
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[Publications] 佐野文男: 日本レーザー医学会誌. (1989)
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[Publications] 佐野文男: 日本レーザー医学会誌. (1989)
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[Publications] 佐野文男: 日本レーザー医学会誌. (1989)
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[Publications] 白戸博志: 日本レーザー医学会誌. (1989)
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[Publications] 佐野文男: "「肝・胆・膵の手術」22器械を用いた肝切除" 医学書院, 109-114 (1988)
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[Publications] 正津晃: "医用レーザーの安全対策Q and A(案)" 日本医科器機学会(医器学59巻), 41-50 (1989)
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[Publications] 佐野文男: "臨床消化器外科図譜全書第1巻新しい治療法レーザー" 金原出版, (1989)
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[Publications] 佐野文男: "「ME機器保守管理マニュアル」第6章2レーザー手術装置" 南江堂, (1989)