1986 Fiscal Year Annual Research Report
「痛み」と「末梢血流」情報の画像化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
60440095
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤正 巌 東大, 医学部, 助教授 (30010028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渥美 和彦 東京大学, 医学部, 教授 (70009877)
井街 宏 東京大学, 医学部, 助手 (10010076)
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Keywords | サーモグラフィ / 高速画像処理 / 自律神経機能 / シミュレーション / 画像データベース |
Research Abstract |
1.高速サーモグラフィ画像入力装置: 1sec/frameの高速サーモグラフィ画像入力装置,大容量バッファ(16MByte)を完成し、従来のサーモグラフィ画像処理技法を本システムに移植した。これを用いて自律神経系の反応を反映する数秒から数分の周期の皮膚温変動の解析を進めている。また新たに、160msec/frameの高速サーモグラフィカメラを入手し、ディジタルインターフェースを作成中である。本装置により心拍による皮膚温の周期的変動にいたるまで画像として捉えることが可能となる。 2.生体熱制御シミュレーション: 円筒形の熱伝導率分布を持つ数学的モデルにて四肢の血流遮断,遮断解除時の皮膚温変動のシミュレーションをおこなった。熱伝導率分布が時間的に固定されたモデルよりも神経支配により負荷前後で熱伝導率分布が変化するとしたモデルの方が実際の負荷による皮膚温の変動とよく一致した。 3.生体機能画像データベース: サーモグラフィ等の生体機能画像では診断に至る一連の画像処理過程が重要であり、これを含めてデータベース化する必要がある。そこで入出力部に知識獲得、データベース作成機能を与え、知識ベースシステムを構築する手法を開発した。これにより画像診断の過程を明確に記録すると同時に診断過程を順方向,逆方向に自由に辿れ、診断過程の検証、初学者の学習に有効であった。 4.臨床評可: 現在,脈管外科,整形外科,麻酔科,ペインクリニック,神経内科等においてサーモグラフィ画像処理システムの臨床応用がなされ、数多くのデータを蓄積しつつある。各科の協力を得て、機能性,器質性末梢血管障害の鑑別,脊椎・脊髄疾患の診断,有痛性疾患の検出,脳幹障害の診断等の成果が得られている。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 藤正巖: Bio-Medical Thermography. 6(1). 30-32 (1986)
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[Publications] 鎮西恒雄: 第6回医療情報学連合大会論文集. 61-62 (1986)
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[Publications] 鎮西恒雄: 医用電子と生体工学. 25supl.(1987)
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[Publications] I.Fujimasa: MEDINFO 86(part 2). 709-711 (1986)
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[Publications] 藤正巖: Bio-Medical Thermography. 6(2). 172-177 (1986)
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[Publications] 満渕邦彦: Bio-Medical Thermography. 6(1). 115-118 (1986)
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[Publications] 本村喜代二: Bio-Medical Thermography. 6(1). 72-74 (1986)
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[Publications] 大塚稔: Bio-Medical Thermography. 6(1). 85-88 (1986)
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[Publications] 本村喜代二: Bio-Medical Thermography. 6(2). 189-193 (1986)
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[Publications] 鎭西恒雄: Bio-Medical Thermography. 6(2). 196-198 (1986)
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[Publications] 藤正巖: 医用電子と生体工学. 24(4). 67-71 (1986)
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[Publications] 藤正巖: 日本外科学会誌. 87(9). 984-987 (1986)
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[Publications] 藤正巖: 臨床検査. 30(8). 802-805 (1986)
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[Publications] 藤正巖: カレントテラピー. 5(1). 160-168 (1987)