1986 Fiscal Year Annual Research Report
大気汚染・水質汚濁現象を統合した都市環境制御の研究
Project/Area Number |
60460167
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
末石 冨太郎 阪大, 工学部, 教授 (00025834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝 定孝 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40026274)
盛岡 通 大阪大学, 工学部, 助教授 (30029350)
山口 克人 大阪大学, 工学部, 助教授 (90029166)
伊藤 龍象 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10025869)
吉川 〓 大阪大学, 工学部, 教授 (70029742)
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Keywords | 大気汚染 / 水質汚濁 / 都市環境制御 / 酸性雨 / 雨水流出の実時間制御 / 化学物質の運命予測 / メソスケール気象 / 雨滴のガス吸収 |
Research Abstract |
1.寝屋川北部流域における雨水流出抑制施設の効果をタンクモデルによって予測し、土地利用状況などを考慮しながら、各施設の効果,経済性,環境への影響等を多基準分析し、貯留・浸透容量の流域内配分について知見を得た。また、流域下水道一河川システムにおける雨水流出過程の実時間制御をDDMによって最適化する方法について検討し、実行可能な制御方式を提案した。つぎに化学平衡論に基づく運命予測モデルの検定・検証を行ない、環境中化学物質濃度のオーダーを推定し、環境リスクに関して化学物質の順位づけを行った。 2.メソスケール気象モデルに関して、前年度までに二次元を対象に、山岳などの地形を任意に境界条件として与えること、人工廃熱の効果を含めた地表面熱収支モデルにより地表面温度を求めること、大気安定度に応じた乱流拡散係数を与えることなどを完了したが、本年度はこれに大気汚染物質の移流,拡散,光化学反応による変質,乾燥沈着による除去等の過程を組み込み、主要な大気汚染物質の濃度計算を行った。また大気流動については三次元への拡散を行い、大阪平野を対象としたシミュレーションを試み、定性的にはほぼ妥当な結果を得た。大気汚染物質濃度計算の三次元への拡散および降雨モデルは次年度の課題である。 3.化学反応から酸性雨について検討し、次の知見を得た。雨水酸性化の二大原因物質はS【O_x】、N【O_x】由来のS(【vI】)、N(【V】)、とである。S(【VI】)の寄与が支配的で、S(【VI】)の大半は雲粒や雨滴が3吸収したS【O_2】ガスの【H_2】【O_2】、【O_2】によるS(【IV】)→S(【VI】)の液相酸化過程で生成する。N(【V】)の寄与の程度は明らかでないが、N【O_2】ガスの気相反応で生成したHN【O_3】ガスの吸収がN(【V】)の主たる成因である。従って雨滴中のS(【VI】)は、S【O_2】ガス吸収→滴内液相酸化反応、N(【V】)はN【O_2】気相反応→HN【O_3】ガス吸収、という過程をモデル化すればよい。ガス吸収量と滴内反応時間とに対する影響因子である雨滴の粒怪分布について検討の必要がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Sueishi;T.Morioka;Y.Kido: Proc.FOURTH INTERNATIONAL CONFERENCE ON URBAN STORM DRAINAGE. (1987)
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[Publications] 盛岡通,東海明宏: 衛生工学研究論文集. 23. 115-124 (1987)