1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480056
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山中 啓 筑大, 応用生物化学系, 教授 (30035951)
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Keywords | 線虫捕捉菌 / マツノザイセンチュウ / 認識物質 / レクチン / モノクロナル抗体 / 粘着性多糖 / Arthrobotrys |
Research Abstract |
1.線虫の捕捉の顕微鏡観察とビデオによる記録 顕微鏡用カラーテレビ装置(島津CTV-270)を購入し、実体顕微鏡および光学顕微鏡に取りつけて、線虫の捕捉および捕捉後の線虫の行動をVTRにより画像の記録を行った。即ち、素寒天培地に生育したArthrobotrys ellisposporaの菌叢上に線虫を添加し、1,2,5,10分後に水洗により捕捉されていない線虫を除去した後、捕捉線虫の行動を記録した。その結果、線虫の捕捉は1分間の接触でもおこり、かつその捕捉は強固であり、捕捉線虫は脱出できなかった。この強固な捕捉は認識のみでは充分に説明することができない。 2.非特異的な線虫の捕捉一粘性多糖の関与 本菌の捕捉器官には今まで粘着性物質の存在を認めることができなかった。それは電子顕微鏡用試料として調整中に剥離除去されたのではないかと考えられる。今回光学顕微鏡による染色後の直接検鏡法により、捕捉部位に多糖が局在することを確認できた。すなわち、アルシアン青とPASの重染色を行うと、菌系体はアルシアン青で全く染色されず、特異な部位のみが青く染色され、菌糸体はPASにより紅色に染色された。線虫を添加した後に染色すると、線虫の捕捉部位のみが青く染色され、かつこの部分にポリスチレンのマイクロビーズが附着したので、この区分が捕捉器官であることが確認できた。更にこの多糖は粘性を持っていることが示唆された。従ってこの段階での線虫の捕捉は全く非特異的と考えられる。事実素寒天培地上で生育した本菌は土壌より分離した各種線虫,Helicotylenchus,Rabditida,Mononchida,Dorylaimidaなどもマツノザイセンチュウ同様によく捕捉したことにより証明された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 青井達也,長谷川成人,宮沢靖史,新井孝夫,山中啓: 第9回糖質シンポジウム講演要旨集. 9. 55-56 (1986)