1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト消化器癌培養株の転移性クローンを用いた転移の機作と抑制に関する研究
Project/Area Number |
60480307
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
加治佐 隆 鹿大, 医学部, 助教授 (00041400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 尊身 小林市立市民病院, 外科医長 (80171411)
野村 秀洋 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (00107898)
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (60117471)
島津 久明 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30010242)
村松 喬 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00030891)
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Keywords | 消化器癌 / 転移 / ヌードマウス / 膜糖蛋白 / 二次元電気泳動 / レクチン染色 / レクチンアフィニティクロマトグラフィ |
Research Abstract |
教室で樹立したヌードマウス可移植ヒト消化器癌株(胃癌,食道癌,大腸癌,膵癌など)30株,正常ヒト胃・大腸粘膜および正常ヌードマウス肺・肝組織を用いて、これらの細胞膜成分を回収し、SDS-PAGE,二次元電気泳動を行い、Western blotting後、各種レクチン(DBA,PNA,WGA,ConA,UEA-1,RCA-1)染色を行った。さらに、レクチンアフィニティクロマトグラフィで転移関連膜成分と考えられる膜糖蛋白の検索を行った。また、ヌードマウスにおける原発巣由来癌株と転移巣由来癌株の生物学的特性の比較検討を行った。 結果:(1)原発巣と転移巣との間には生物学的特性(腫瘍増大速度,CEA産生能,制癌剤感受性など)のheterogeneityが認められた。 (2)癌細胞と正常細胞の膜糖蛋白の比較で、癌細胞に特異的な膜糖蛋白、さらに異常増加の見られる膜糖蛋白が認められた。 (3)原発巣と転移巣ではレクチン染色で数種の膜糖蛋白に染色性(濃淡,増減)で差が見られた。 (4)ヌードマウスで高率に自然肺転移を起こすヒト胃癌株では、SDS-PAGE後、レクチン(とくにRCA-1,WGA)染色で、他の癌細胞膜に見られない特異的と考えられる膜糖蛋白が認められた。 (5)(4)で認められた膜糖蛋白の回収をレクチンアフィニティクロマトグラフィで行った。RCA-1では分子量が約18万,9万,6万7千,2万の部位に、WGAでは約6万7千,2万の部位にバンドとして認められるが、これらは他の癌細胞ではあっても少量か、あるいは欠如していることがあり、現在、これらに対するモノクローナル抗体を作成中である。今後、モノクローナル抗体を用いて、さらに詳細に解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)