1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヤギ胎仔水中哺育法の確立(膜型人工肺による体外循環)
Project/Area Number |
60480365
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩崎 寛和 筑大, 臨床医学系, 教授 (40045951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 純一 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50187118)
目崎 登 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30010408)
大島 宣雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)
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Keywords | 体外循環 / V-Aバイパス法 / A-Vバイパス法 / 胎仔血管造影検査 / 自動制御システム |
Research Abstract |
本年度は頸動静脈を用いたV-Aバイパス法と、臍帯動静脈を用いたA-Vバイパス法の両法を行い、両者の得失について比較検討した。 頸動静脈を用いたV-Aバイパス法では、最長27時間の生存を得たが、回路還流開始直後のショック死はなく、安全な体外循環への移行が可能であった。本法は心負荷を軽減させるので、血圧がかなり下降しても胎仔は生存することが出来たが、時間の経過と共に心機能低下が進行することを完全には防止できなかった。 これに対し、臍帯動静脈を用いたA-Vバイパス法では最長33時間42分の生存を達成したが、体外循環開始直後にショック死を起こすケースが散見され、循環動態の不安定性を示した。この対策として、in-uteroでのカニュレーション等を行っているが、まだ完全には防止できていない。現在、頸動静脈を用いたV-Aバイパス法をまず行い、それから臍帯動静脈を用いたA-Vバイパス法へ移行する方法について検討している。 次に、両方法の循環動態の相違を解明するために、胎仔血管造影検査を行い、主として脱血PO2の変動に対する動脈管径の変動を検討した。その結果、脱血PO2の変動による動脈管径の変動は、何れの方法においても認められなかった。しかし、施行例数が少なく、今後の検討を要する。 両方法を通じて、本年度新たに回路の改良を行った点は、回路内に人工透析装置を設置したことと、フォトセンサーを用いて脱血側リザーバーの液面を感知することにより、脱血量に応じて送血量を調節する自動制御システムを導入したことである。その結果、還流血液の電解質補正・アシドーシス補正が容易に行え、胎仔内血液量の変動を減少させることが出来た。自動制御装置についてはまだ改良の余地があり、複数のフォトセンサーを用いたより精密なシステムを開発中である。
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Research Products
(1 results)