1986 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞へのGa-b7摂取におよぼす抗癌剤と放射線の影響
Project/Area Number |
60480442
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
東 与光 神奈川歯大, 歯学部, 教授 (00084723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 信一郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (00139578)
若尾 博美 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (00104505)
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Keywords | Ga-67 / Fe-59 / 抗癌剤の作用 / 細胞サイクル / 細胞骨格と金属イオン |
Research Abstract |
1.培養腫瘍細胞のGa-67取り込みに及ぼす抗癌剤の影響:現在、臨床で広く利用されている抗癌剤であるadriamycinの作用について検討した。マウス白血病細胞の増殖は、adriamycin(0.01μg/ml〜1.00μg/ml)によって、明らかに抑制され、その抑制はadriamycinの濃度に比例した。しかし、adriamycin処理細胞へのGa-67およびFe-59の取り込みは、かえって対照より増加した。また、この取り込みの増加は、adriamycinの処理時間と濃度により変化した。さらに、抗癌剤であるactinomycinDについても同様に実験したところ、細胞増殖はadriamycinと同様に抑制された。しかし、Ga-67の取り込みは、adriamycinと反対に対照より減少した。つぎに、これらの抗癌剤の腫瘍細胞の細胞サイクルに及ぼす影響をFlow cytometryで検討した。その結果、adriamycin処理細胞の細胞サイクルは、【G_2】+M期に蓄積することが判明した。しかし、actinomycinDによって細胞サイクルは変化をうけなかった。さらに、走査型電顕によって、adriamycin処理細胞の表面をみると、対照に比べて細胞の大きさは増大し、細胞表面の微絨毛は消失し、表面の波状構造物が破壊されていた。 2.細胞骨格とGa-67の取り込みの関係:(1) 細胞膜蛋白質を分解するtrypsin,α-chymotrypsin,SH基阻害剤のN-ethylmaleimideを作用させ、腫瘍細胞へのGa-67取り込みに及ぼす影響をしらべた。Ga-67の取り込みは、trypsin,N-ethylmaleimideで明らかに抑制された。以上から、細胞膜蛋白質がGa-67の取り込みに関与していることを知った。(2) 細胞骨格系の阻害剤のうち、マイクロフィラメントを脱重合するcytochalasinB,微小管を脱重合するvinblastine,colchicineを作用させた。そして、電顕により細胞骨格の形態とGa-67の取り込みの関係を検討した。その結果、細胞内のGa-67の輸送には、マイクロフィラメント束が関与していることを知った。
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[Publications] Higashi T.,et al: Clinical Nuclear Medicine. 12. (1987)
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[Publications] 東与光 他: 内分泌外科. 3. 29-35 (1986)
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[Publications] 神部芳則,東与光 他: 日本口腔科学会雑誌. 36. 276-281 (1986)
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[Publications] 神部芳則,東与光: 神奈川歯学. 21. 1-9 (1986)
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[Publications] 東与光: "口腔画像診断の臨床" 医師薬出版株式会社, 270 (1986)
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[Publications] 伊藤国彦: "臨床Visual Mook 甲状腺疾患" 全日本病院出版会, 229 (1986)