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1986 Fiscal Year Annual Research Report

日本偏理思想史における神概念と仏概念の含意内容の研究(神仏習合の考察を含む)

Research Project

Project/Area Number 60510025
Research InstitutionChuo University

Principal Investigator

野崎 守英  中央大, 文学部, 教授 (30172787)

Keywords『日本書紀』 / 『栄華物語』 / 和歌 / 南西諸島の世界観 / 神と言葉 / 日本の伝統的な概念の中での超越性 / 日本倫理思想史の描きとり
Research Abstract

本年は、奄美大島、沖縄本島に渡って歌謡の歌われる現場を見たが、そのほかは文献の解読にあたった。主として研究の対象としたのは、『日本書紀』『栄華物語』及び平安期の和歌集である。それに 空海、天台本覚編、道元などは、ひきつづき読んでいる。
課題に関してぶつかった難問のうち大きなものは、南西諸島(沖縄地方)の世界観における神概念と、日本本土、とりわけ、飛鳥から中世期における神仏概念をどう関係させて考えるか ということである。前者で神観念が現われるのは歌謡の場であり、後者は、歌に加えて、物語、論調を主とする表現の中にもそれは現われる。この対照は、思想の移入、流動という歴史的条件によって生じたものにはちがいないが、日本思想の構造を考える場合に、この対照をどう考えるか、は、基本的な、意味の深い内容を含んでいると考えられる。今年、了解したことは、上の対照の中で、神はとりわけ言葉にかかわるということである。それは、特に、流れるようにつづく歌の言葉とかかわる。歌の中で神はこちらに招び出されるのである。平安末になると、仏も歌の中で歌われるようになるが、その場合の歌は、こちらから仏の方に向う歌であり、その歌の中で向うの仏とのかかわりが模索されるのである。
このような構造をおさえて、その上で、神仏習合のあり方を考えるかは今後の課題である。問題は、日本の伝統的な概念の中で超越性のあり方を考えるとしたら、どんな姿と、そして現在、超越的なものについて思いめぐらす方途があるか、という点にある。そうした問題枠の中で今後日本倫理思想史を描きとり、事の深まりと可能的模索の方に進んでみたい。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 野崎守英: 理想. 632. 204-211 (1986)

URL: 

Published: 1988-11-10   Modified: 2016-04-21  

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