1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60540232
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
米沢 富美子 慶応大, 理工学部, 教授 (10027344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 秀 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (90155771)
高野 宏 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (90154806)
斉藤 幸夫 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20162240)
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Research Abstract |
計算機シミュレーションでガラス状態を実現し、その原子構造を微視的な観点から実行した。 具体的には、等温・等圧の分子動力学法を用い、12-6のLennard-Jones対ボテンシャルで相互作用する粒子系の液体状態を急冷した。冷却速度が遅い場合には、系は結晶になるが、十分早く冷却すると、一次相転移を経ずに、ガラス転移を経て、固化しガラスが得られる。この様子は、次のような物理量を測定して確認される。 [1]マクロに測定可能な物理量 a)熱力学的諸量(体積、エンタルビー、エネルギーなど) b)構造に関する量(対相関関数、Wendt-Abrahamのバラメター) c)ダイナミカルな量(拡散係数など) [2]ミクロな構造量 a)微視的な構造の歪を表わす量 b)ボンド配向に関する秩序 C)局所対称性を表わす量 特に、[2]で導入されたミクロな構造量を使った構造解析の結果、次のような点が明らかになった。 1.ガラス状態では正二十面体的な対称性を持った原子が、液体に比べて多いこと。 2.ガラス転移点よりも低い温度でアニールして、結晶化した系と、長時間ガラス状態を保った系とを比較した場合、後者では正二十面体的な対称性を持つクラスターが大きく成長していることが見られ、これらのクラスターが結晶化をさまたげていること。 また、アニールの過程の原子構造の変化を映画に記録して、構造の時間変化を視覚的に観測できるようにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nose´;YoneZaWa: Journal of chemical physics. 84. 1803-1814 (1986)
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[Publications] Yonezawa;Nose;Sakamoto: the proccedings of the 6th International Conference-on-Liquid and Amorphons Metals. (1987)
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[Publications] Nose;Sakamoto;Yonezawa: The Proceedings of the 6th International Conference on Liquid and Amrphons Metals. (1987)
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[Publications] 米沢富美子: "ブラウン運動" 共立出版, 140 (1986)