1986 Fiscal Year Annual Research Report
巨大垂直磁気異方性をもった軽希土類-鉄族非晶質膜・磁気-光機能素子
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60550221
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 孝雄 東北大, 工学部, 助教授 (70005495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 忠児 東北大学, 工学部, 教授 (10005168)
桂 重俊 東京電機大学, 工学部, 教授 (40005153)
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Keywords | 磁気-光学効果 / 垂直磁化膜 / 垂直磁気異方性 / 軽希土類金属 / スパッター法 / 磁気-光高密度記録 |
Research Abstract |
本研究の目的は巨大垂直磁気異方性をもった軽希土類ー鉄族合金垂直磁化膜をスパッター法により作製しその磁気的,磁気ー光学的性質を調べ、磁気ー光機能素子としての知見を得ることである。昨年度は軽希土類元素の中のNdを対象としてNd-Fe,Nd-Fe-Co合金垂直磁化膜の磁性の組成,温度依存性及び磁気ー光学特性の波長依存性を主に実験を行った。本年度はこれらの不足データを補うと共に【i】Na-Fe-Co及びPr-Fe合金膜の異方性定数Kuの膜厚依存性,【ii】Pr-Fe合金のKuの組成及び温度依存性,【iii】Pr-Fe合金の磁気-光極力-回転角θkの波長依存性の実験を行った。膜の作製条件は前年度報告のそれとほゞ同じであり、基板加熱温度200〜250℃,膜厚500A°〜10μm,Ar圧力(1〜2)×【10^(-1)】Torrであった。【Nd_(40)】【Fe_(51)】【Co_6】【Ti_3】の場合垂直磁気異方性定数Kuは膜厚Dと共に単調に増加し、D【〜!〜】1μm付近でKu【〜!〜】1×【10^7】erglccとなり、それ以上のDに対してはほゞ一定となることがわかった。この傾向は【Pr_(40)】【Fe_(60)】膜でも観察された。又【Pr_(40)】【Fe_(60)】のKuの組成変化を調べた結果40at%Pr付近でKuは最大となりKu【〜!〜】4×【10^6】erglccとなった。又この合金膜のKuは温度Tに対してもT【〜!〜】100Kで最大となりそれ以下の温度においては単調に減少した。膜の微細構造の観察結果と併せて考察すると垂直磁気異方性の原因のひとつとして原子の短範囲的秩序配列が挙げられると結論づけられた。 一方Pr-Fe合金膜の磁気-光力-回転角【θ_k】の波長η依存性を調べた結果、η【〜!〜】800nm付近で【θ_k】【〜!〜】0.5°であり低波長側で【θ_k】は増大し(【θ_k】【〜!〜】0.6°,500nm),約350nm付近から急激に減少して250nmで零となった。この傾向は重希土類元素を含む合金系膜のそれと異なるものである。 以上のことからNd-Fe-Co及びPr-Fe合金膜は磁気-光機能素子として非常に有望な材料であることが結論づけられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Suzuki: Japanese Journal of Applied Physics. 24. L199-202 (1985)
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[Publications] T.Suzuki: Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 50. 265-270 (1985)
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[Publications] T.Suzuki: Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 54-57. 1407-1408 (1986)
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[Publications] T.Suzuki and T.Katayama: IEEE Trans.of Magnetics. 22. 1230-1232 (1986)
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[Publications] T.Suzuki,A.Murakami and T.Katayama: to be published in IEEE Trans.of Magnetics. Sept.(1987)