1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550316
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小堀 爲雄 金沢大, 工学部, 教授 (20019714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近田 康夫 金沢大学, 工学部, 助手 (50155298)
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Keywords | 既設道路橋 / 実態調査 / 耐用性診断 / 点検診断 / 維持管理 / 耐荷性診断 |
Research Abstract |
本研究で開発を進めてきた既設道路橋の耐用性の診断法の成果は、その多くの部分は既設橋の健全性評価(点検結果を基に健全な橋と健全でない橋を判別する)の方法を見出すことに主眼を置いて求められてきたものである。しかし、開発とその検定に大変な労力と時間を要するために思ったほど総合的立場から完成はしがたい。結局、耐用性診断を行うために必要であろう多くの評価項目のうちの幾つかの重要な部分について、基本的な診断法をまとめる方向である。近年、注目されてきたエキスパート・システムの考え方も重要であるが、本研究では点検データの資料(データベース)の絶対量が十分でないこと、ならびに、専門家が行う総合的な診断評価の過程がまだ明確でないなんから、エキスパート・システムの完成は困難と思われる。そのため、61年度では各種評価法の応用と開発を試みた。そして、専門家が最終的に総合評価を行うときに診断支援として有用な幾つかの評価手法をまとめた。評価手法に用いたのは多変量解析のうちの数量化【II】類と【III】類である。数量化論理工類の適用についても検討を行ったが、健全性を連続量として数値化するのが困難なため、十分な成果は得ていない。また、多基準分析の手法の一つであるコンコーダンス・アナリシスの適用についても検討を行い、その特徴をまとめた。 耐荷性診断の実用化モデルについめは診断支援が容易となるように、パソコン用にプログラム化し、解析的評価手法と視覚化出力方法について開発した。その基本的な用途は、単純構造であるプレートガーター、トラス、RCT型桁等について考え、開発を進めた。 以上の数量的評価手法の構成化ならびに耐荷性診断用の基本プログラムを開発した。以降の昭和62年度では、これらについての適用性についてまとめる。
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[Publications] 城戸隆良,小堀為雄: 土木学会第41回年次学術講演会講演概要集【I】(I-190). I. 379-380 (1986)
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[Publications] 小堀為雄,城戸隆良,近田康夫: 金沢大学工学部紀要. 19-2. 83-91 (1986)
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[Publications] 小堀為雄,近田康夫,城戸隆良,川下征英: 昭和六十一年度研究発表会講演概要集土木学会中部支部(I-14). 28-29 (1987)