1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550455
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 哲郎 筑大, 物理工学系, 教授 (70045988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
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Keywords | マルテンサイト変態 / 応力誘起マルテンサイト変態 / 格子波分散関係 / 非線型格子波 / 自由エネルギー |
Research Abstract |
Cu-Al-Ni合金における応力誘起マルテンサイト変態と格子波分散関係の測定を前年度に引き續き行い、今年度に重点をおいた母相における測定と合わせて、応力誘起マルテンサイト変態と格子波分散関係について次のような結論を得た。マルテンサイト相における応力誘起変態【γ'_1】→【Β"_1】→【α"_1】の場合には、変態開始応力に近ずくに伴うフオノン分散関係の変化は全く認められなかった。これに反し、母相【β'_1】からマルテンサイト相【β'_1】への応力誘起マルテイト変態に際しては、応力が変態開始応力に近ずくに従い僅かではあるが明白な格子波分散関係のソフト化が認められた。これは既に同一合金における母相【β_1】からの温度誘起マルテンサイト開始前に認められている格子波分散関係のソフト化の事実と合わせて、マルテンサイト変態における格子波分散関係の異常は変態前と変態後の結晶における格子波分散関係が異なる時にのみ変態開始前に格子波分散関係に前駆現象が現れると云う仮説を導く。但し、この仮説は、著者が非線型格子波モデルによる数値計算から得ている結論とも一致するので、殆ど結論と云える段階に到達している。 マルテンサイト変態における大振幅格子波の結晶自由エネルギーへの寄与を数値計算によって評価する研究として、【φ^4】ソリトンモデルを用いて自由エネルギーの温度依存性を計算する際に、【φ^4】ソリトンモデルに非対稱性を導入すると、対稱モデルと非対稱モデルでは自由エネルギーの温度依存性が顕著に異なることを示した。この数値計算の結果は、母相における非線型格子波がマルテンサイ相における双晶境界として凝縮するには、マルテンサイ相形成自身による応力場が決定的要因であることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tanahashi: Proceeding of the International Conference on Martensitic Transformations.The Japan Institute of Metals.163-168 (1986)
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[Publications] Tetsuro Suzuki: Proceeding of the International Conference on Martensitic Transformations.The Japan Institute of Metals.55-60 (1986)