1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60570450
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉川 弖夫 日大, 医学部, 講師 (20059463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲毛 善四郎 日本大学, 医学部, 助手
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Keywords | 特発性ネフローゼ症候群 / リンホカイン / ヒスタミン【H_2】【R^+】T細胞 / 遅延型過敏反応 / マクロファジーの白血球プロコアグラント活性 / シメチジン / サプレッサーT細胞 / イディオタイプ |
Research Abstract |
ネ症の成因にはT細胞由来の血管透過性因子をはじめ種々のリンホカインの影響が予測させる。これまでの著者らの研究の結果、ヒスタミン【H_2】【R^+】T細胞は、ConA誘導リンパ球芽球化,カンジタによる遅延型過敏反応,さらにPPDによる白血球プロコアグランド活性に対し抑制的に仂くことが判った。またこのことから不症発症時のヒスタミン【H_2】【R^+】T細胞数の低下はリンホカイン産生増加を助長することが推測された。本年度は正常ヒトT細胞をヒツジ赤血球ロゼット形成比重遠心法にて分離し、これをネ症患者リンパ球と様々な比率(1:9,2;8,5:5)で混合培養を行ったとき、試験管内白血球プロコアグラント活性の産生が抑制されるか否かを検討し、さらに正常ヒトT細胞をあらかじめcimetidine(【H^2】【R^+】培抗剤)で処理しておくと、この抑制作用が明らかに喪失するか否かを研究した。その結果、マクロファージによる白血球プロコアグラント活性を抑制するサプレッサーT細胞がヒスタミン【H_2】【R^+】であることが証明され、このサプレッサーT細胞の減少がネ症の病態と深くかかわっていることが明らかとなった。すなわちヒスタミン【H_2】【R^+】T細胞はsuppressor inducer T細胞(【[CD^(4]+)】×【^([2)H4]】+,ConA誘導抑制活性)に対して負のフィードバック杆制を有し、後者より糸球体polganionの陰性荷電を減少させるリンホカインが過剰に分泌されて糸球体基底膜の蛋白透過性亢進を招く、のを防いでいるものと考えられた。一方、主要組織適合性抗原遺伝子(MHC)I領域遺伝子の産生と考えられていた。"I-J"が、サプレッサーT細胞抗原認織構造のイディオタイプ耕造であることが、マウスの実験から明らかにされた。また同じマウスの遅延型過敏反応では、サプレッサーT細胞は、イディオタイプ陽性,ヒスタミン【H_2】【R^+】T細胞である。著者らはイディオタイプ-抗イディオタイプネットワークの産物であることが想定される抗Fuc,GMI(IgM)抗体をネ症患者血清で測定し、【C_3】d break down指数との間に正相関をみた。
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[Publications] 吉川弓夫: 小児科臨糸. 39. 861-867 (1986)
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[Publications] 吉川弓夫: 腎と透析. 19. 1018-1020 (1985)
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[Publications] 吉川弓夫,栖原優: 日本腎臓学会誌. 28. 991-992 (1986)
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[Publications] 吉川弓夫,栖原優: Medical Postgraduates. 23. 621-627 (1985)
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[Publications] 吉川弓夫,三村明郎: 医学のあゆみ.
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[Publications] 稲毛善四郎 他: "5th Histamine Recptor Symposium" Excerpta Medica, 208 (1986)
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[Publications] 大野丞二: "厚生省特医疾患進行性腎障害調査研究班昭和60年度研究業積" 厚生省, 646 (1986)