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1988 Fiscal Year Annual Research Report

大腸癌の組織発生、進展における局所免疫の関与についての臨床免疫組織化学的研究

Research Project

Project/Area Number 60570619
Research InstitutionUniversity of Tokyo

Principal Investigator

久保田 芳郎  東京大学, 医学部・第1外科, 助手 (70170040)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 洲之内 広紀  東京大学, 医学部・第1外科, 医員
阿川 千一郎  東京大学, 医学部・第1外科, 医員 (00175788)
武藤 徹一郎  東京大学, 医学部・第1外科, 助教授 (20110695)
Keywords大腸癌 / 大腸腺腫 / 癌免疫 / 局所免疫 / 癌組織浸潤リンパ球 / リンパ球サブセット / 癌細胞壊死 / 免疫組織化学
Research Abstract

大腸腫瘍における組織浸潤リンパ球サブセットを凍結切片を用いて免疫組織化学的に染色し、大腸癌組織発生、増殖、進展の過程における腫瘍と生体との局所免疫反応を直接観察した。また末梢血リンパ球サブセット、NK活性、PPD皮内反応など全身的非特異的免疫能も同時に測定して局所免疫反応と対比させた。その結果、1大腸腫瘍性疾患における浸潤リンパ球は腺腫早期癌、進行癌のいずれにおいてもT cell数が最も多く、B cell、NK cellは少なかった。2腫瘍増殖先進部におけるT cell数は早期癌で最も多く、癌の進行とともに減少しており、進行癌では転移のある症例はない症例よりT cell数が少なかった。3T cell subsetsでは腺腫、早期癌では末梢血に比しLeu2a陽性細胞(suppressor/cytotoxic T cell)数がLeu3a陽性細胞(helper/inducer T cell)数より多いものが多く、癌の進行とともに両者とも減少した。4Leu11陽性細胞(NK cell)数は少なく、しかも腺腫、早期癌、転移のない進行癌では有意差がなかったが転移のある進行癌では減少していた。5大腸癌の局所浸潤リンパ球サブセットと末梢血リンパ球サブセットとの間には相関性に乏しく、局所の方が癌の進行度をより反映していた。6組織標本上で実際に癌細胞が壊死に陥っている腺管内壊死様物質を検討した結果、軽度異型腺腫ではほとんどみられず、中等度異型腺腫から出現し、m癌、sm癌と次第に癌巣底部及び増殖先進部で多くなりその程度も強くなったが、進行癌では減少していた。また壊死様物質はPAS陽性、CEA陽性で、癌巣の基底膜側の間質からeosin存性の顆粒を有するgranulocytesが癌細胞に接し次第に両者とも壊死に陥る像が観察された。以上癌組織に浸潤している炎症性細胞は癌の増殖、転移形成に抑制的に作用していると考えられ、局所免疫反応は早期癌で最も強く、癌細胞が組織標本上で実際に壊死に陥っている所見は自然免疫としての炎症性反応と類似していることが明らかとなった。

  • Research Products

    (6 results)

All Other

All Publications (6 results)

  • [Publications] 久保田芳郎: 消化器と免疫. 11. 97-101 (1983)

  • [Publications] 久保田芳郎: 消化器と免疫. 14. 133-137 (1985)

  • [Publications] 久保田芳郎: 消化器と免疫. 15. 34-38 (1985)

  • [Publications] 久保田芳郎: リンパ学. 8. 101-104 (1985)

  • [Publications] 久保田芳郎: 消化器と免疫. 16. 41-46 (1986)

  • [Publications] 洲之内広紀: 消化器と免疫. 18. 219-222 (1987)

URL: 

Published: 1990-03-19   Modified: 2016-04-21  

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