1986 Fiscal Year Annual Research Report
歯科小手術の酸素消費量および心機能に及ぼす影響に関する研究
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60570914
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福島 和昭 北海道大学, 歯学部, 講師 (00002361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤沢 俊明 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (30190028)
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Keywords | 歯科小手術 / 酸素消費量 / 心機能 |
Research Abstract |
静脈内鎮静法施行下における歯科小手術時の心機能の変化を明らかにする目的で、下齶埋伏智歯抜去の健康成人(20〜30才)を対象に、これを局所麻酔単独群(局麻群)と局所麻酔にジアゼパム静脈内鎮静法併用群(ジアゼパム群)の2群に分け、比較検討した。 その結果、(1)PEPでは、局麻群で手術開始時および骨削開始時に有意の短縮を認め、心機能亢進が示された。一方、ジアゼパム群では延長傾向を示したものの有意な変化は認められなかった。(2)LVETでは、局麻群で骨削開始以外の手術中に有意の延長を示し、ジアゼパム群では、歯牙抜去開始時より延長を認めた。(3)Qでは、局麻群で手術開始時より有意の短縮を認め、心機能の亢進が示された。一方、ジアゼパム群では、有意な変化を認めなかった。(4)収縮期血圧では、局麻群で有意な変化がなく、ジアゼパム群で有意な低下を認めた。(5)拡張期血圧では、両群で有意な低下が認められた。(6)心拍数では、局麻群で局麻終了時に有意な増加を認めた以外、術中に有意な変化はなく、ジアゼパム群で手術開始時に有意の増加、手術終了5分後に有意の減少を認めた。以上のように、局麻単独群では、心機能の亢進が示され、ジアゼパム群においては、これらの変化は見られず、歯科小手術中の心機能亢進は、手術や局所麻酔自体のストレスより、手術に対する不安、恐怖感などの精神的要因の影響が大きいことが示唆されました。このことは、同様の条件下で酸素消費量を測定した際にも認められました。 以上の結果、また昭和60年度の結果をもとに、来年度は、高令者や有病者に対する歯科小手術中の酸素消費量、心機能の変化を観察する予定であり、またこの際の鎮静法の有効性を酸素消費量、心機能の面から検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 福島和昭: 日本歯科麻酔学会雑誌.
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[Publications] 亀倉更人: 日本歯科麻酔学会雑誌.
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[Publications] 福島和昭: 日本歯科麻酔学会雑誌.