1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60840003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松尾 武清 大阪大学, 教養, 助教授 (50029691)
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Keywords | TOF質量分析 / 生体高分子 / パルスイオン源 |
Research Abstract |
生体高分子量物質を分析する目的で高性能TOF質量分析計の開発を行っている。1TOF-MSでは分析しようとする物質をパルス的にイオン化しなければならないが、私達はSIMSイオン源を用いる方式を採用した。電子衝撃イオン化法でXe,Arのイオンを連続的に生成し10KVに加速し、今回購入した「パルスSIイオン源用エネルギー分析器」を用して効率よく試料を塗布したターゲット上に導くことができるようになった。ターゲット直前に置いたディフレクターに高速パルスを印加して、1次イオン流をパルス化した。パルスSIイオン源用エネルギー分析器の透過率は実測により43%の値を得た。これは予想通りである。2次に1次イオンを加速する際にも高安定価電源を必要とするが、今回購入したジョンフルーク社製安定価電源を使用した。3TOFの検出器としてマルチプライヤーを使用しているが、イオンの質量が重くなると二次電子の発生率が低下し感度が下がるのでポストアクセレーション型イオン検出器を製作した。正負イオンの検出が可能であり、検出感度も向上することが実験的に確認された。4実験結果、まずCsIを試料として用い【Cs^+】イオンを使って装置の調整を行った。20ns(FWHM)のピークを得た。これは分解能600に相当する。次に実際の生体化合物の測定を行い、アミノ酸及びグラミンジン(M.W.1140)のTOFスペクトルを得ることができた。次の研究目標は生体高分分子試料について分解能を向上せしめることである。
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