1985 Fiscal Year Annual Research Report
高感度分析イオン顕微鏡用極低バックグラウンド質量分析計の試作
Project/Area Number |
60840024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 宏 大阪大学, 教養, 助手 (30029722)
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Keywords | 隕石 / 同位体比 / IMA / SIMS / 同位体異常 |
Research Abstract |
原始太陽系星雲の起源についての情報を得るためには、宇宙物貭中の鉱物を構成している元素の微小な同位体比変動を測定する必要がある。このため、高感度イオン顕微鏡の製作を計画し、本研究においては、その一部として、低バックグラウンド貭量分析計の製作に着手した。 貭量分析計のイオン光学的計算を、既設のパーソナルコンピュータを用いて、試行錯誤的に実行し、次のような基本設計とすることにより、当初の目的が達成できることがわかった。 電場:半径=40cm、偏向角=75°,磁場:半径=20cm、偏向角=90° 主スリット・電場間距離=30cm,電場・αスリット間距離=9.3cm αスリット・磁場間距離=43.8cm、磁場・検出スリット間距離=9.1cm このようなイオン光学的パラメータにすると、貭量分解能は、検出スリット幅100μmのとき、約3400が得られる。これは、当初計画していた5000よりも小さいが、イオン顕微鏡で考えられる妨害イオンを除去するには十分である。ただし、分解能はスリット幅に反比例するので、これを100μm以下に絞れば、さらに高分解能を得ることが可能である。 上の計算結果に基づいて、電磁石および分析管を設計した。また、電磁石用電源、超高真空排気用のターボ分子ポンプ・油回転ポンプおよびこれに不隨するバルブ・継ぎ手・フランジ類等を調達した。現在電場部分とイオン源部を設計中である。 本計画の貭量分析計を検出器として用いた分析イオン顕微鏡が完成すれば、S/N比の向上とともに、妨害二次イオンを完全に除去することができ、同位体比の精度高い測定が可能になるものと期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Applications of Surface Science. 22/23. (1985)
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[Publications] 貭量分析(Mass Spectroscopy). 33-4. (1985)
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[Publications] Secondary Ion Mass Spectrometry(SIMS【IV】)Springer Ver. (1986)