1985 Fiscal Year Annual Research Report
高温プラズマイオン温度測定用炭酸ガスレーザ励起サブミリレーザの試作
Project/Area Number |
60850012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 龍雄 九州大学, 国立大(その他), 助教授 (90127994)
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Keywords | サブミリレーザ / 炭酸ガスレーザ / 注入ロック / シングルモード / イオン温度 / プラズマ計測 |
Research Abstract |
サブミリレーザによる協同トムソン散乱法は、時間・空間分解に優れた高温プラズマのイオン温度計測法として、その実現が期待されている。光源となるサブミリレーザとしては、炭酸ガスレーザ励起重水レーザが、現時点で唯一の可能性を持っている。本研究では、独自の方式としてエタロンで同調する小型シングルモードTEA炭酸ガスレーザを注入源に用いた注入ロック式励起用炭酸ガスレーザの試作と、同レーザ励起重水レーザの試作を行った。本年度は、波長0.385mmの重水レーザより100KW級の出力パワ、パルス幅〜μsの狭帯域サブミリ光を得、さらにレーザシステムの動作を安定化を行うことを目標に研究を行った。以下に、主要な結果を列挙する。 (1)出力エネルギー30Jのシングルモード炭酸ガスレーザ励起重水レーザより、出力パワ120KW、パルス幅800ns、スペクトル幅100MHz以下のサブミリ光を得た。(2)重水レーザに、バッファガスとしてS【F_6】を添加し、10〜30%の効率改善が得られた。(3)重水レーザシステム動作の安定性は、励起用炭酸ガスレーザのシングルモード動作の安定性、即ち注入ロック動作の安定性で決っている。(4)注入ロック動作の不安定性は、注入光周波数と被注入レーザの共振周波数間の不整合により生じ、安定動作のためには、レーザ共振周波数を〜20MHz(共振器長換算〜1μm)以内に安定化する必要がある。(5)注入ロック動作の受動安定化について検討した結果、レーザガスの混合比の揺らぎが共振周波数の揺らぎの原因として支配的であり、予め混合されたレーザガスの使用により、格段の安定度が得られることが分った。 今後、波長0.385mm以外のサブミリレーザ波長についても検討を行い、散乱計測用光源として、サブミリレーザの最適化を行う予定である。
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Research Products
(2 results)