1986 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック製ハニカム型担体を用いた小型オゾナイザの開発
Project/Area Number |
60850055
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
近藤 芳孝 豊田工高専, その他, 教授 (20043185)
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Keywords | オゾナイザー / オゾン収率におよぼす金属酸化物の効果 / 酸素の解離効率 |
Research Abstract |
今年度の研究実積は二つに大別される。主たるテーマであるオゾナイザの効率向上に関する研究については昨年度に引継いで、平板形オゾナイザの放電空間に金属酸化物を入れた時の効果について研究を行った。昨年度の研究でアルカリ工類金属酸化物がオゾン収率向上に最も効果的であることがほぼ明らかとなったので、今年度はこの材料を中心にして研究を進めた。金属酸化物の効果の再現性に問題があることが今年度の研究で明らかになって、前年度に得られた高オゾン収率を再現できなかった。しかしながら、原料ガスの供給量,注入電力,充填金属酸化物の量がオゾン収率に及す影響を明らかにした。さらに酸素原料ガスに微量の窒素を混入するとオゾン収率が向上することが明らかとなった。 他のテーマは、酸素原料オゾナイザの収率のボルツマン方程式解によるシミュレーションである。電子衝突によって酸素分子が解離して酸素原子となり、これらが全てオゾンになるとして効率を計算した。従来これに似た計算は行われているが、酸素分子の解離過程における電子のエネルギー損失が、一定値でああるとして計算が進められて来た。しかしながら、酸素分子の解離過程におけるエネルギー損失は連続スペクトルを有するので、このことを正確に計算のなかに繰り込んだ。この計算により、低注入電力域で従来の評価よりオゾン収率が高いことが明らかになった。この他、3体付着過程、解離付着過程による電子付着係数、および衝突電離係数の2気圧付近における値を求めた。これは、実機オゾナイザの運転時の圧力範囲を含んでおり、従来検討されていなかった領域である。さらに、正確なエネルギー平衡式を導出して、オゾナイザ放電で電子に注入された損失過程を調べることにより、解離過程に80%近いエネルギーが使われることを明らかにした。
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[Publications] 梶田省吾,後田澄夫,近藤芳孝: 豊田工業高等専門学校研究紀要. 19. 25-30 (1986)
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[Publications] 梶田省吾,後田澄夫,近藤芳彦: 第4回「プラズマプロセシング研究会」資料. 33-36
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[Publications] 近藤芳孝,梶田省吾,後田澄夫: 放電研究. 114. 12-16 (1987)