1985 Fiscal Year Annual Research Report
両方向性電力変換装置を用いた高性能並列電力処理方式太陽電池電源システムの開発研究
Project/Area Number |
60850070
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松尾 博文 長崎大学, 工, 助教授 (50101382)
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Keywords | 電力変換装置 / 太陽電池 / ソーラセル / ソーラアレイ / 両方向性電力変換 / 並列電力処理 / 最適動作点 / モニター用太陽電池 / 短絡電流 / コンバータ / インバータ |
Research Abstract |
本研究は3年間の継続課題であり、初年度は主に直流負荷の太陽電池電源システムに関して研究を行ない、次の成果を得た。 (1)両方向性電力変換装置の回路方式に対する検討:太陽電池とエネルギー蓄積用の蓄電池との間に両方向性の昇圧形直流電力変換装置を配置し、これに太陽電池の最適動作点の追尾のためのインピーダンス変換および蓄電池の充放電の機能を持たせる回路方式を確立した。 (2)データ処理システムの構築:太陽電池電源システムからのデータの自動計測、処理のためのシステムを構築した。また、マイクロコンピュータにより高速制御される負荷装置の製作を行った。 (3)太陽電池の最適動作点を追尾するための制御回路の確立:モニター用太陽電池の短絡電流を用いることにより、光の強度に対応して主太陽電池の最適動作点を追尾するための制御方式および制御回路を確立した。この場合、モニター用太陽電池と主太陽電池の最適動作電流には温度依存性があるので、これを補償するための制御回路が付加されている。 (4)太陽電池電源システムの電力効率に関する検討:両方向性電力変換装置を用いた並列電力処理方式の太陽電池電源システムの電力効率と従来の単方向性電力変換装置を用いた直列電力処理方式のシステムの電力効率の比較を行なった。この結果、新しいシステムの電力効率が従来のものに比べて優れていることが、理論的、実験的に確かめられた。 以上の他に、直流電力変換装置の制御回路のディジタル化に関する研究を行い、P-I-D制御回路の確立を行なった。また、太陽電池と交流電力系統とを連結するための新しい両方向性の直流-交流電力変換装置を開発し、その基本特性に対する検討を行なった。
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