1985 Fiscal Year Annual Research Report
高速加熱・冷却示差熱量計の試作および相変態研究への応用
Project/Area Number |
60850120
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 賢一 東北大学, 工, 教授 (10005209)
|
Keywords | 示差熱量計 / 高速加熱 / 高速冷却 / 相変態 / 析出 / 規則-不規則変態 / マッシブ変態 / 材質評価 |
Research Abstract |
1.高速加熱・冷却示差熱量計試作のための基本設計ならびに各部品の素材の検討を昭和60年7月に終了し、真空理工株式会社に発注した。基本設計では、高速加熱と高速冷却を確実に実現させるために、試料ホルダー部の形状と加熱および冷却方式の最適な組合わせが極めて重要であることを考慮して新らしい方法として感温板直接通電による熱流束型を採用しようとして予備実験を行った。しかし種々の試行工夫にもかかわらずこの方式では十分な熱量検出感度を保証できないことが明らかとなった。その後の検討の過程で、アルミナ埋込み型白金線による抵抗加熱兼温度センサー方式が発案され、これによって測定温度の目標上限である1000℃まで目的とする性能が得られる見込みとなった。高速加熱は赤外線加熱方式とし、高速冷却は強制ガス冷却方式を採用することにした。最大300k/minの冷却速度を達成する見通しがついた。 基本設計の検討を慎重に行ったためその最終決定に約2ケ月の遅れがでたが、高性能の装置を試作するという本研究の課題の一つが達成できることになったのは大きな成果といえるだろう。 現在、装置はほぼ完成しており、性能試験ならびに応用のための較正試験と測定精度の向上と安定化のための調整を行なっている。 2.本研究で試作した装置のデータ処理手法を確立するため、従来型の熱量計をマイクロ・コンピュターに連結して、予想される測定データ入力に対する解析手法を検討中である。 3.試作した熱量計を合金の相変態の研究に応用するため、アルミニウム合金の時効析出、ニッケル合金や銅合金における規則-不規則変態、鉄合金におけるマッシブ変態などを対象とすることにして、そのための試料作製、熱処理などの準備を進行中である。
|
Research Products
(2 results)