1986 Fiscal Year Annual Research Report
高速加熱・冷却示差熱量計の試作および相変態研究への応用
Project/Area Number |
60850120
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 賢一 東北大, 工学部, 教授 (10005209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 幸雄 東北大学, 工学部, 助手 (20005292)
飯島 嘉明 東北大学, 工学部, 助手 (70005411)
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Keywords | 示差熱量計 / DSC / 高速加熱 / 高速冷却 / 相変態 / 析出 / 規則・不規則変態 / マッシブ変態 |
Research Abstract |
1.研究計画に従い、装置の試作・改良に取組んでいる。基本設計において発案された、アルミナ埋込み型白金線による低抗加熱兼温度センサー方式は、そのセンサーの作製方法によって意外に熱的安定性にばらつきがあり、その点を克服するために現在においても検討中である。また、高速加熱あるいは冷却中における発・吸熱量の高精度測定のためには、温度制御と熱的ノイズ防止に予想以上の配慮が必要であることがわかり、本年度はそれに対する装置の改良と予備実験を積み重ねてきた。この点は、装置の心臓部の性能にかかわるので総合的検討を繰り返し、その結果、測定系の構造にも再検討を加え、現在、仕上げの最終段階に入っている。装置の他の部分(温度制御部とデータ処理・記録部)はほゞ完成している。 2.データ処理手法の検討に関しては、装置の試作と並行して取組んで来た。通常の(低速加熱)示差熱量計の測定データを用いての処理方法の基本はすでに確立させたので、装置本体の調整後、高速加熱・冷却に伴なって必要となるデータ処理方法の拡張を計画している。 3.試作した熱量計を合金の相変態の研究に応用するため、アルミニウム合金の時効析出、ニッケル合金や銅合金における規則-不規則変態、鉄合金におけるマッシブ変態などを対象とすることを計画しており、そのための試料作製、熱処理などの準備も大方完了しており、Al-Li-Mg合金、Al-Cu-Li合金について従来の示差走査熱量計による予備実験を完了した。
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[Publications] 〓亨鎬: 軽金属. 36. 759-767 (1986)
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[Publications] Hyung-Ho,Jo: Proceedings of The 4th International Conference on Age-Hardenable Aluminium Alloys (Balaton Fured,Hungary)1986. (1987)