1985 Fiscal Year Annual Research Report
アラミド繊維の超微細化による複合材料の高性能化に関する研究
Project/Area Number |
60850161
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
高柳 素夫 九州産業大学, 工, 教授 (40037643)
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Keywords | アラミド / 複合材料 / 液晶紡糸 / 液晶 / ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド) / ケブラー / エポキシ樹脂 / ポリイミド樹脂 |
Research Abstract |
予備実験として、ポリ(P-フェニレンテレフタルアミド)(PPTA)の液晶紡糸を行うと共に、複合糸を調製するため、PPTAのアミドプロトンをカルボキシメチル基に置換した置換PPTA(N-CM-PPTA)の調製条件と紡糸原液の特性とを検討した。モノクロロ酢酸を用いた場合、PPTAの分子量を5700から30000に高めると共に、N-置換度は50%より20%に低下し、98%【H_2】【SO_4】には溶解するが、複合糸からN-CM-PPTAを除去するためのジメチルスルホキシド(DMSO)への溶解度が失われた。N-CM-PPTA調製に用いるPPTAの分子量を30000に高めると共に、DMSOへの溶解性を増すことが必要であるが、この点は次の方法により解決することができた。モノブロモ酢酸エステルとメタル化PPTAとの反応をDMSO中で行い、かつこれを3度くり返すことにより、置換度を66%に上昇できた。さらに反応温度を室温から70℃に上昇させると77%となり、これらは紡糸原液に70℃、12%PPTAの条件で、N-CM-PPTA23%組成まで溶解しても液晶を形成し、かつ、N-CM-PPTAはDMSOに溶解することが分った。紡糸原液の条件を確定できたことは本年度の進歩である。 第二に、複合繊維のDMSO処理により超微細化PPTA繊維を調製した上、エポキシ、並に耐熱性のポリイミドのマトリクス樹脂との複合効果を上げるために界面接着性の向上が必要である。この問題に対し、単繊維を厚さの異なるマトリクス樹脂層からの引き抜き応力の測定方法を用い、又、ケブラークロスとの複合材料の曲げ特性とT-はくり試験を行った。その結果、単繊維表面にメタル化による膨潤層をつくり、樹脂を拡散させて、硬化時に投錨効果を発生させること、樹脂と反応する官能基の導入が有効であることを見出したのは新しい成果である。以上の準備を完了し、61年度に最終目標を達成する。
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