1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870007
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森本 武利 京都府立医科大学, 医, 教授 (30079694)
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Keywords | Naイオン濃度 / 循環血 / 連続測定 / Naガラス電極 / 意識下ラット |
Research Abstract |
本年度は循環血液のNaイオン濃度の連続測定法の確立を中心に検討を進めた。検討項目は、KCl寒天橋による測定、較正液に関する検討、赤血球の影響、ラット循環血のNaイオン濃度の連続測定である。 1.KCl寒天橋によるNaイオン濃度の測定 今回使用した電極では3M KCl溶液の流体液絡を用いているが、この方法では血液と3M KClが混合するため、循環血の連続測定には用いられない。そこでこの液絡を3.3M KCl寒天橋に変更し、KClの流出を最低限に抑えることを試みた。その結果、寒天橋を5%寒天、3.3mol/l KCl、140mmol/l NaClで作成し、pHをTris-HCl緩衝液にて7.4に調整することにより安定した電位を得ることができた。 2.標準液の検討 較正用のNaCl標準液としては120〜150mmol/lのNaCl溶液をTris-HCl緩衝液にてpH7.0-7.5に調整するとともに、溶液のイオン強度を血漿のイオン濃度とほぼ等しくすることによって、安定した電位を得ることができ、標準液及び血漿を用いて反復測定を行い回帰直線を求めた結果、95%の信頼限界は0.3mVであった。すなわちこの測定システムを用いて、120〜150meq/lの範囲において、1.5meq/lの測定精度にてNaイオン濃度を連続的に測定できることが明らかになった。なお全血を用いても測定精度はこの範囲に入り、赤血球の影響は無視することができる。 3.意識下ラットへの応用 このシステムを慢性的に動静脈にカニューレを植え込んだラットに用いて、意識下に循環血液量とともに連続測定した結果、0.9%の食塩水を飲ませた場合には血液のNa濃度は変化を示さず、0.45%の食塩水を摂取した場合にはほぼ2meq/l、水道水では6meq/lの血液Na濃度の減少を認め、この方法の有用性を示す結果が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 日本生理学雑誌. 47-12. (1985)
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[Publications] 日本生理学雑誌. 48-2-3. (1985)
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[Publications] 日本生理学雑誌. 48-2-3. (1985)Japanese Journal of Physiology.