1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870022
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Research Institution | The Japan Snake Institute |
Principal Investigator |
沢井 芳男 蛇族研, その他, その他 (70072288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 通久 財団法人日本蛇族学術研究所, 分類学研究室, 主任研究員 (40109856)
川村 善治 財団法人日本蛇族学術研究所, 沖縄支所, 支所長 (30109855)
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Keywords | ヤマカガシ毒免疫ヤギ抗毒素血清 |
Research Abstract |
第一年度は、家兎を用いて抗毒素を試作したが、第二年度は山羊2頭を用いて抗毒素を試作した。前年に比較すると2〜3倍以上の力価の高いものが得られた。抗原及び免疫方法:ホルマリンで粗素を不活化した抗原(R.Td)にフロインドアジュバンドを添加する。これを山羊2頭各々に初回免疫12mg14mlを背側部皮下2ヵ所に注射した。12日後に同一R.Tdを10mg/4mlを注射して約1ヵ月後にR.Tdだけを1週間隔3回増量しながら免疫した。次の週からは生毒に切り替えて1週間隔で力価に応じて毒を増量しながら免疫した。免疫4ヵ月後に2頭の内1頭(No.1)が体の衰弱と抗体力価に限界が来た為、免疫不可能となり10月24日に全採血を行なった(4.4ヵ月)。全血液量2900ml粗血清1850ml力価は0.1mlが28mldであった。総毒量219mgを用いた。No.2は12月2日全採血を行なった。免疫期間は5.6ヵ月で全血液量1200mlで粗血清量750mlで力価0.1mlは70mldで総毒量580mgであった。精製方法は粗血清を硫安塩析→ペプシン消化→塩化亜鉛→硫安濃縮→透析し精製血清が出来上がった。これに0.85%の食塩、防腐剤チメロサール0.01w/v%及びグリシン3%を含む。生物学的製剤基準により無菌濾過後、安全、無菌、発熱試験を行なった。蛋白濃度40mg/ml以下である。以上の様な方法で別々に製造した。力価測定:試験管内中和でICRマウス(20g)静注方法で抗致死価を測定した。No.1の精製血清0.1mlは同一毒150μgを中和し50mldで粗血清の1.79倍に精製された。一方No.2の精製血清0.1mlは280μgの粗毒を中和し93.3mldで粗血清の2倍に精製された。マウスに対する最小致死量の毒は2.5〜3.0μgであった。両者の精製血清を混合しバイヤル瓶に10mlに分注すると60本分ができ、これを凍結乾燥する。以上の様に1バイアル10mlの力価はヤマカガシ粗毒22〜23mgを完全に中和する高力価抗毒素が出来た。咬症時には1本用いれば十分でないかと考える。
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