1985 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽細胞腫マススクリーニング検査用離乳食の開発による偽陽性率改善の試み
Project/Area Number |
60870025
|
Research Institution | University Occupational and Environmental Health, School of Nursing and Medical Technology |
Principal Investigator |
斎藤 友博 産医大医療技術短大, その他, 教授 (90137703)
|
Keywords | 神経芽細胞腫 / スクリーニング / 偽陽性 |
Research Abstract |
神経芽細胞腫マススクリーニングにおける偽陽性率の改善を最終目的として、60年度実施計画に述べられた研究計画を実施し、以下に述べる結果が得られた。 〔今年度の研究計画概要〕 1.当検査を偽陽性とする禁忌食品の摂取後の経過時間と尿検査結果の関係の解明。 2.当検査用離乳食の摂取指導と行政的スクリーニングでの偽陽性率の変化の検討。 〔研究方法〕 1.対象は月齢4〜17か月の乳幼児、月齢2か月の母乳栄養児とその母親である。尿中VMA定性検査は濾紙尿を用いるDip法によった。実施内容は次の様である。(1)(イ)オレンジジュース、(ロ)バナナ、それぞれ摂取後の時間経過と尿検査結果の関係の解明。(2)オレンジジュース摂取量と尿検査結果の関係の解明。(3)母親のオレンジジュース摂取後時間経過と母乳栄養児の尿検査結果の関係の解明。 2.神奈川県A保健所管内の全乳児対象に当研究で開発した当検査用離乳食の行政的スクリーニング実施前日の摂食指導を行ない、偽陽性率を比較検討する。 〔結果〕1(1)から次の結果が得られた。(1)オレンジジュース、バナナ摂取後は極めて高い尿検査陽性率となる。(2)陽性となるのは摂取後1〜数時間である。(3)摂取後10数時間後に疑陽性(±)となることも多い。(4)摂取後20時間以上の翌朝尿では陽性、疑陽性とはならない。1(2)からは、オレンジジュース摂取量と尿検査の間には量-反応関係などの特別の関係は見られないこと、1(3)からは、母乳を介して尿検査を陽性とする物質が乳児に移行し、母乳栄養児では母親の禁忌食品摂取後20時間でも陽性となり得ることが判明した。また、1から、陽性になり易い乳幼児の身体状況のあることが示唆された。2の結果は現在集計中である。
|