1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870074
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森岡 俊夫 九州大学, 歯, 教授 (00028721)
|
Keywords | YAGレーザー / 歯面照射 / 照射用光学系 |
Research Abstract |
ヒトのエナメル質にレーザーを照射すると、照射された部位のエナメル質は耐酸性を帯びる。齲蝕予防にこの術式を応用する研究を当講座で実施しているが、一連の研究の中で波長を異にする9種のレーザー光をヒトおよびハムスターのエナメル質に照射し耐酸性付与効果を比較した。その結果、ノーマルパルスNd-YAGレーザーおよびArイオンレーザーがこの目的に特に有効であることを認めた。 これら2種のレーザー光を齲蝕予防の目的に臨床応用するためには、口腔内の任意の部位に安全にかつ歯表面において一定のビーム径をもつレーザー光を発振させることが不可欠である。 本年度購入のNd-YAGレーザー用ファイバー光学系LP-10およびLP-11は、いずれも発振装置から出たビームを石英ファイバーを通過させファイバーの末端部分をなすハンドピースに導くものである。このハンドピース部分にはミラーが内臓されており、ハンドピース長軸からLP-10では90°の角度で、LP-11では60°の角度で、それぞれ光を届析させ口腔内の各部位への照射を容易にしている。なお、この光学系から出るレーザーのビーム径は直径約4mmであり、ヒトの歯面に照射するのに適したものである。 他方、色素レーザーは、既設のArイオンレーザーのもつ混合ビームから単一波長を選択的に取り出しうるものである。即ち、Arレーザーのもつ4880Åと5145Åを中心とした複合ビームから、波長を変換して5600Åから6800Åの幅で単一波長のビームを得ることができる。 以上、ファイバー光学系の試作と、単一波長のビーム獲得が計画通り進行している。
|