1985 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン核医学診断に用いる62-亜鉛および62-銅標識放射性医薬品の開発
Project/Area Number |
60870080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横山 陽 京都大学, 薬, 教授 (90025685)
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Keywords | 62-銅標識放射性医薬品 / 62-亜鉛標識放射性医薬品 / 二官能性錯体 / 心筋診断薬剤 / 膵臓診断薬剤 / エチレンジアミン二酢酸亜鉛錯体 / がん診断薬剤 |
Research Abstract |
62-亜鉛、62-銅は核医学診断に適するポジトロン放出核種であり、さらに、普遍性の高い62-銅産生ジェネレータ(62-亜鉛を親核種にする)の開発も可能である。本研究は、62-銅および62亜鉛のこのような放射化学的特性を利用し、さらに、それぞれの金属イオンとしての化学的性質を生かした新しい放射性医薬品開発を目的として、その基礎的検討を行った。 1.62-銅標識二官能性錯体に関する基礎的研究 銅イオンの強い錯形成能を利用し、一方にコンパクトな中性キレート構造を有し、それと独立に、一方に生理活性に関係する構造部位を同一分子内に有する二官能性錯体を考案した。これらの放射性医薬品は、キレート構造部位に銅-ジチオセミカルバゾン構造を有し、生理活性構造部位に、フェニル基をはさんだアルキルアミンおよびアンモニウム基、ならびに、高級脂肪酸構造を有するものである。すべて、新規化合物であるので、それらの合成を新らたに試み、さらに、放射性核種として入手の容易な64-銅を用いて、銅錯体を作製し、マウスにおける体内分布挙動を検討した。その結果、期待通り、心筋、膵臓などの二官能性錯体の化学構造が反映される標的組識への分布が認められ、新しいタイプのポジトロン核種標識放射性医薬品としての応用の可能性が見出された。 2.62-亜鉛-高分子多核錯体の基礎的研究 エチレンジアミン二酢酸を配位子にする62-亜鉛の高分子多核錯体をがん診断薬剤に利用することを考え、エールリッヒがん細胞を用いるインビトロおよびインビボ実験系で、錯体の高分子状態、安定性とがん集積との関係を検討中である。これまでに、すでに高いがん集積を示す錯体種が得られており、がん診断薬剤開発の期待がよせられている。
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Research Products
(1 results)