1985 Fiscal Year Annual Research Report
尿中カテコールアミン:微小炭素電極法によるマススクリーニング
Project/Area Number |
60870097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 武 東京工業大学, 国立大(その他), 助教授 (80064856)
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Keywords | ドーパミン / セロトニン / 微小炭素電極 / DOPAC / 5HIAA |
Research Abstract |
微小炭素電極を用い、カテコールアミンの高感度な測定システムの開発を行った。その結果、炭素繊維の種類によってカテコールアミンに対する検出感度が異なるばかりでなく、電極のコンピュータによる活性化状態によっても大きく左右されることが判明した。高弾性をもつ東レのM-40や東邦のMH-45はカテコールアミンの検出感度が高張力性のT-300やHTA-7に比べて10倍も高いことが分った。この事は炭素繊維内における結晶の度合と相関性があるものと思われる。このような観点から信州大学の遠藤氏らが開発したウイスカータイプのグラファイト繊維を用いた所、伝導度が高すぎるため、クーロン電流の測定には適さないことが判明した。また、M-40やHM-45はコンピュータによる活性化時に安定したデータが得られず、現段階ではHTA-7が使用可能な電極として得られている。 HTA-7を用いた電極でドーパミンとセロトニンの分離を行ったところ、ドーパミンは150mVセロトニンは250mV付近に印加電圧を持ち、双方を分別できた。一方、代謝物であるジヒドロキシ酢酸(DCPAC)と5-ヒドロキシインドール酢酸(5HIAA)について検討したところ、DOPACはドーパミンの1/50〜1/100の検出感度であるのに対し、5HIAAはセロトニンに比べて1/10であった。これらの結果からドーパミンはその代謝物から分別できるが、セロトニンについては現在のところ不完全であるとの結論を得た。
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Research Products
(1 results)