1986 Fiscal Year Annual Research Report
尿中カテコールアミン:微小炭素電極法によるマススクリーニング
Project/Area Number |
60870097
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 武 東京工大, 国立大学(その他), 助教授 (80064856)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 栄一 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (70016830)
|
Keywords | ニューロブラストーマ / ドーパミン / DOPAC / ホモバニリン酸 / 微小炭素電極 / 高速液体クロマトグラフィー / 電気化学検出器 |
Research Abstract |
神経芽細胞腫(ニユーロブラストーマ)など各種神経疾患は幼若期に早期発見することが必要である。ニューロブラストーマの最も信頼できる診断法として、数年前から私が提晶しているホモバニリン酸の高速液体クロマトグラフィー電気化学検出法と微小炭素電極法がある。しかし、夾雑物による防害など、いろいろな問題からホモバニリン酸の測定よりも尿中に比較的多く存在するドーパミンをモニターするほうが、より迅速に診断できることに気ずいた。尿中のドーパミンは血中の濃度に比べて百倍以上も濃く、尿中カテコラミンの内でもノルエピネフリンの十倍も多いことが高速液体クロマトグラフィー電気化学検出器による測定から判明した。尿中にはいろいろな夾雑物があり、高速液体クロマトグラフィーのみでモニターするのは時間的に不利であり、定性的な微小炭素電極法を用いることが重要である。微小炭素電極を用いるためのプログラミングをパーソナルコンピューターで作り、電極の活性化,測定,データ解析などをすべてコントロールできるようにした。この方法を用いることにより、ドーパミンを10【^-8】Mまでボルタモグラム上で検出することが可能になった。ドーパミンの主な代謝物であるジヒドロキシ酢酸(DOPAC)は、これまでの研究では分離できないとされていたが、今回の方法で分離することが可能になった。また、ホモバニリン酸によるドーパミン検出に対する防害はこの方法で容易に除くことができる。今後は、尿の前処理あるいは無処理検体中のドーパミンのモニターとそのデータ解析の方法などについて検討し、マススクリーニングのための基礎的検討を行う計画である。
|
-
[Publications] Takeshi,Kato;Akihiro,Shimizu:Akitane,Akiyama;Taizo,Nakazato;Hirotaro,Narabayashi: Japanese J.Pharmacology supplement. (1986)
-
[Publications] Takeshi Kato;Bei Dong;Kayoko Ishii;Hiroyasu Kinemuchi: J.Neurochemistry. 46. 1277-1282 (1986)