1985 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー密度核融合炉第1壁・周辺部の交換技術の開発
Project/Area Number |
60880003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 健二 大阪大学, 工, 教授 (70107142)
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Keywords | カセット核融合炉 / コンパクトトロイド / SMAカップラー / 変態温度 / 炉心部交換技術 |
Research Abstract |
核融合炉概念設計において、常に問題になるのは炉心第一壁の荷電粒子や中性子による各種の損傷であり、炉プラント寿命の内、何回かの第一壁交換を前提としている。コンパクト・トロイドのカセット核融合炉概念設計では、この交換技術に形状記憶合金(SMA)カップラーを積極的に用いることによって、簡単で、しかも迅速に炉心部を交換する可能性が検討された。また、大型核融合実験装置においても、このような簡単、迅速な交換技術が望まれている。 本研究は、SMAカップラーを着脱可能な機械的継手として実際に作成し、締付け力、耐真空性や照射効果等を、実験的に調べることを目的としている。 1.マルテンサイト変態温度20℃のSMAを、長さ50mm,外径56mmφ,肉厚3mmのカップラー形状に加工した。 2.このSMAカップラーを水圧拡管実験装置によって、マルテンサイト変態温度下で塑性領域に入るところまで拡管して、残留応力場と訓練効果により可逆形状変化をするカップラーに作成した。 3.このカップラーを無負荷の状態で温度を上昇、下降させた場合の外径の変化を測定した。 35℃付近(As点)でカップラーの外径が縮み始め、50℃(As点)でほぼもとの57mmφの径に回復する(初期状態の外径より1mm大きいのは拡管操作時の塑性変形による影響と考えられる)。温度下降時は20℃付近(Ms'点)で自ら拡管し始め、-10℃付近(Mf'点)で約58.5mmφの径にまで拡管することがわかった。 4.SMAカップラー外径58.1mm,肉厚3mm,温度70℃において、約210kgf/【cm^2】のカップラーによる締め付け圧力が得られた。 以上の結果より、外径が56.95mmφ以上58.45mmφ以下になる安定な可逆性SMAカップラーが得られた。
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[Publications] プラズマ・核融合学会 第3回年会. (1986)
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[Publications] 日本原子力学会 年会. (1986)
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[Publications] ICOMAT-86(奈良). (1986)