1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60880019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木幡 陽 東京大学, 医科研, 教授 (30030852)
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Keywords | 植物性凝集素 / 親和性クロマト / 少糖 / 糖蛋白質 |
Research Abstract |
本年度の研究でAALレクチンの大量調製法を確立すると共に同レクチンの様々な固定化カラムを調製し、その結合特異性を詳細に検討した。その結果3mg/mlセフアロース4Bのカラムがフコース含有少糖の分離に一番効果的であることが判明した。糖蛋白質からヒドラジン分解によってえられた様々な構造の複合型アスパラギン結合糖鎖並びにその部分分解産物の同AAL-セファロースカラムにおける挙動を調べる研究により、糖鎖の根本のN-アセチルグルコサミン残基のC-6位にα-フコース残基が結合していることがレクチンカラムに結合するための必要条件であることが確認された。この結合特性は側鎖部分の構造によって一切左右されず、又bisecting GlcNAcの存在によっても影響をうけない。この性質はAAL-セファロースカラムが根本にフコースを持つ糖鎖と持たない糖鎖をグループ分けする上で理想的な手段を提供しうることを意味している。更に糖鎖構造の異なる3種の糖含有Bence Jones蛋白質の挙動を調べることにより、このレクチンカラムが少糖ばかりでなく糖蛋白質そのものも同じ原理で分画しうることが確認された。又、人乳少糖群とフコシドーシス患者の尿から精製した少糖群のAAL-セファロースカラムにおける挙動を調べた結果から、Fucα1→2Galβ1→4GlcNAcおよびGalβ1→4(Fucα1→3)GlcNAcという構造を持った少糖が弱いながらもAAL-カラムと相互作用を持つこと、Galβ1→3(Fucα1→4)GlcNAcは更に弱い相互作用を示すこと、Fucα1→2Galβ1→3GlcNAcやGalβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4(Fucα1→3)GlcNAc残基は殆んどカラムと結合しないことが判明した。 一方シロバナチョウセンアサガオのレクチンは一応大量精製に成功したので次年度にはその特異性の解明にとりかかる計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.Biol.Chem.260-8. (1985)
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[Publications] Glycoconjugate J.2-2. (1985)
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[Publications] Jpn.J.Exp.Med.55-2. (1985)
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[Publications] Biochemistry. 24-2. (1985)