1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61010080
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
塚越 茂 癌研究会, その他, 研究員 (60085644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 助教授 (40004642)
西條 長宏 国立がんセンター病院, 内科, 医長
八巻 寛 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (30013329)
山田 龍作 和歌山県立医科大学, 教授 (90047085)
秋山 伸一 大分医科大学, 助教授 (60117413)
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Keywords | がん化学療法 / 選択毒性 / 塞栓療法 / 抗がん剤効果増強 / がん転移モデル |
Research Abstract |
抗がん剤の腫瘍増殖部位への選択的到達性が充分であることは治療効果の向上につながる。そのために腫瘍の増殖部位を考慮して、そこへ選択的に抗がん剤をはこび、効果を増強させる研究を進めてきた。1)抗がん剤の剤型を考え又投与法を工夫して効果の向上をはかること:抗がん剤のマイクロカプセル封入剤によって行う研究を進めてきたが、泌尿器系がんへの治療成績が従来の方法に比べ有意に向上し、この療法が局部浸潤性腫瘍に有効なことがわかった。又バルンカテーテルによる血流遮断下抗がん剤動注法は臨床効果向上のために局所薬剤濃度を予め確立し進行がん治療に応用してきた。肝、膀胱、子宮がんに有効例がみられ、更に効果的向上することがわかった。2)抗がん剤の腫瘍選択的到達性をはかること:実験的にモノクロナル抗体SC438をつくり、これとブレオマイシン結合体がアクラシノマイシン耐性細胞に有効であったが、この作用以外にさらに免疫増強作用が附与された可能性もあると考えている。又レチノール系化合物やイソプレノイドと抗がん剤併用による効果増強が判明したので薬剤耐性克服を含め効果増強法を追求してきたが合成イソプレノイドがブレオマイシンその他の抗がん剤の効果を増強することがわかった。又この物質はビンクリスチンと併用するとその耐性を克服することも見出した。3)腫瘍の転移巣での増殖を効果的に抑制すること:ラット線維肉腫の高及び低リンパ節転移系をつくり、抗がん剤感受性は同一だがクロンの問に免疫感受性差が見られた。リンパ節転移のγ-TNFやリンホトキシンによる抑制効果をみとめた。膜腔内移植による脳腫瘍モデルに対する有効な薬剤がいくつか見いだされたので、今後薬剤併用による効果を更に検討していく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakagawa,M;Akiyama,S.,et al: Cancer Res.46. 4453-4457 (1986)
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[Publications] Sakurai,M.;Saijo,N.,et al: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 77. 774-481 (1986)
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[Publications] Hirano,T.;Tsukagoshi,S.et al: Mabromol.Chem.187. 2815-2824 (1986)
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[Publications] 久保保彦,山田龍作 他: 日本癌治療学会誌. 21. 1104-1106 (1986)
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[Publications] 佐藤一成,加藤哲郎 他: 日本泌尿器科学会誌. 77. 474-481 (1986)
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[Publications] 塚越茂 他共著: "癌化学療法の基礎と臨床(改定版)" 癌と化学療法社, 410 (1986)